第23話

それから歳月が流れ、二年が経った。


純輝王女の姿は、王宮にはない。


彼女が住んでいるのは、国王が用意してくれた漢陽の屋敷である。


宮中から出た後も、傍にはユ尚宮が付き従っていた。


そして、王女の傍にいるのはユ尚宮だけではない。


王女が共に暮らしているのは夫であるコ・タン。


さらに一年前には可愛らしい長女も生まれている。


国王に婚姻を願った後で、王女はタンに結婚したいと申し出た。


驚き戸惑っていたタンだったが、王女に対する想いは本物であり、彼自身も王女と婚姻したいと考えていた。


だからタンは、「私でよろしければ、夫婦になってください。本来ならば、私から申し込むべきなのに、申し訳ございません」と言ってくれたのだ。


それから二人で国王に挨拶にうかがい、正式に婚姻が認められたのである。


この地に移り住んで一年後には、女児を授かり現在は子育ての最中。


タンはというと、内禁衛(ネグムィ)に配属となり隊長に抜擢された。


内禁衛とは、王室を護衛する軍営のことだ。


さらにユ尚宮は、今でも王女のそばに仕えている。


宮中を離れた王女だったが、タンや娘と共に幸せに暮らしている。

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