31話 会談1
洋上都市グリーンノア中央区制御ビル会議室
通常開かれることの無いその部屋で会合が開かれていた
「この度は面会の機会を用意していただいて誠にありがとうございます」
「クリス・エンフィールドCEO」
「私もあなたに会えてうれしいですよ、技術開発委員会マッケンジー理事」
白いスーツに身を包んだクリスはマッケンジー理事の手を握り
技術開発委員会とは惑星ダレンに本拠地を置く研究機関の名前である。
主な研究内容は植物や動物のクローン製造に関するものだが。
この手の研究はある時を境に殆どの資料やデータが削除されているため
研究は難航を極めていた。
理由は以下の2つ
一つ目は遺伝子データが無いこと、
二つ目はそもそもクローンが認められなかったという当時の状況があった(※クローンを使った戦争があった為にクローンという存在自体を禁忌としていた)
しかしグリーンノア社が提供した様々な遺伝子データを使用することで遺伝子データの問題をクリアし
アライアンス共同倫理委員会と交渉し絶対に人のクローンを作らないという制約を課すことで
クローン製造の許可を取り付ける事に成功した。
そしてついに生まれたクローン羊第一号のドリリーを生み出したのは何を隠そうこの男マッケンジー理事なのである。
「ドリリーは元気ですかな?」
「えぇ、元気ですとも、最近はクローン羊同士の繁殖について研究しております」
そう言ってマッケンジー理事は合成革で出来た黒い鞄から二つの写真と小さなデータチップを取り出した。
「ほう…もう一匹のクローン羊ですか」
写真にはドドリーと書かれた羊とリーツーと書かれた羊が写っていた
「寿命に関しては問題なさそうですね。」
「元々クローン生産の試験ですから、失敗は仕方のない事だと思っていましたが、案外、上手くいくものですね」
「資料にはドリーという羊は短命であったと記載されていましたが、個体差があったのでしょうね」
つづく
異世界銀河農家 世界のすべての人に食料を 赤ぬこ むぎ猫 @akanuko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界銀河農家 世界のすべての人に食料をの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます