第6話 ⑹


 ああ、黒いものが去ってくれて本当に良かった。


 あのきれいな鳥はいなくなってしまったけど、昨日さっそく、また別の鳥を見つけたのだ。


 今度の鳥も負けず劣らず魅力的で、わたしはさっそくおもてなしの支度をはじめた。


 この前は窓のところがよく見えなかったのよ。そうに決まってる。


 でも今度の鳥は、必ず来てくれる。来ないなんてこと、あるわけない。


 わたしは窓の向こうに、目を凝らす。


 今度はきれいな鳥だけじゃなく、まわりにも気を配らなくちゃ。


 だっておかしな影を見落として、不安にさせられたらこまるもの。


               ※


「――母さん、ちょっと玄関に来てくれる? 警察の人が話を聞きたいって」


              〈了〉

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もてなし 五速 梁 @run_doc

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