やくざとは？

第4話 下っ端やくざの武田さんについて

灼熱の夏も冬も

常に長袖Tシャツを着て作業するして

そして常に顔から大汗をかきながら作業する武田

どうやらやくざらしい

年齢は俺より10コ上の28歳

先輩「うるし、知ってるか？」

先輩がヒソヒソ話してきた

あ、うるしは自分のあだ名です。

漆畑　周(うるしばた　しゅう)のうるしw

そうそう、そういえば先輩の名前は上原さん

上原さん「うるし、知ってるか？武田さん、本職やってるみたいよ」

「え、まじですか？」

本職、やくざのことをそう呼ぶ人もいる。ホンマもんってことかな？

上原さん「そうそう、駅前に森ビルって10階建のビルたってるだろ？あそこ」

初めて本物のやくざにあった瞬間でした。

色々やくざのイメージはあったけど、ベンツ、高級時計、パンチパーマ、スーツなどなど

イメージと全然違うじゃん

土方の作業服に頭にタオル巻いて、電動ノコギリで型枠を切ってる‥

いやいや、本当にやくざ？

上原さん「藤本工業っていってさ、このあたり仕切ってるみたいよ、そこの下っ端」

仕切る、やくざにはやくざにだけわかる縄張りみたいなのがあって、その縄張りを納めることを言う

昔勉強した戦国時代の地図か！ってつっこみたくなるけど、実際に縄張りは存在している

上原さん「組にあげる金が足りないんだろうなー、金ないらしいし、俺らと飲みにも行かないからなーあいつ」

「そうなんですねー」

上原さん「墨を全身入れてるから、顔からしか汗でないみたいよ」

墨、刺青の別の呼び方。和彫ともいう。

墨を入れてると、そこから汗が出なくなるとかならないとか‥

自分はそれからというもの、武田さんが気になって気になってしかたなくなりました。