第16話 俺たちの夜はこれからだ!!
F級ギルド【新星】のギルドホームには、ヤリ部屋がある。
大きなベッドがあり、ふかふかのソファーやテーブルなどの家具も一通り揃った部屋だ。
魔導式冷蔵庫なるものが設置してあるため、喉が渇いてもキンキンに冷えたジュースやお酒をすぐ飲むことができる。
簡易キッチンもあるため、小腹が減ったら何か作ってエッチしながら軽い食事もできる。
シャワールームとトイレも完備で最高の部屋だ。
「ふぃー、やっと頭がクリアになってきた」
俺はアヴィアたちとエッチし始めてから四、五時間ほど経ったところで腰を止めた。
まだまだシたいが、全員体力が限界っぽいのでやめておく。
俺は可愛い性奴隷たちの体調を慮れる男なのだ。
「うふふ。ティオさんに抱かれると三百歳は若返った気分だわ」
「千歳くらい若返らせてやろうか?」
「あら、じゃあお願いしようかしら♡」
と、アルネリアはまだまだ余裕そうだったので第二ラウンドに突入。
流石はベテランの性奴隷。
俺というご主人様の悦ばせ方を誰よりもしっかり理解している。
俺がアルネリアのテクニックに満足していると、その様子を見ていたナディアが無表情ながらも悔しそうに歯噛みした。
「むぅ、ナディアにはテクニックが足りないようです」
「アルネリア様を見習わないといけないわね」
「いや、見習うべきなのか……?」
ナディアに同意するアヴィアと、色々拭いながら首を傾げるカレン。
しかし、苦言を呈する者も部屋にいた。
「な、なぜ私もここにいるのです!?」
ナギである。
いや、別に手を出そうと思ってヤリ部屋に連れてきたわけではないのだ。
これにはちゃんと事情がある。
「お前が宿を借りる金もないから泊めてくれって言ったんだろ」
「それはそうなのです、けど!! どうして私がいてもお構いなしでおっ始めるのです!? 」
「ヤりたいから」
「ちったあ遠慮しやがれなのです!!」
「安心しろ。俺は爆乳にしか興奮しない。あ、いや、小さいのが嫌いなわけじゃないぞ? 単純にそういう性癖なだけだ。ナギは大きくなりそうだし、気にする必要はないさ」
「別に気にしてねーのです!! あとお前が追放された理由はそういうところなのです!!」
ツッコミが冴えるなあ。
「ああんっ♡ ご主人様っ♡ 今は私とエッチしているのですから他の女の子は見ないでくださいっ♡」
「おっと、悪い悪い」
アルネリアがドスケベシスター衣装で誘惑してくるのでこちらに集中する。
と、そこでカレンとナギが話し始めた。
俺はアルネリアを抱きながら、そちらの会話に耳を傾ける。
「……意外だったのはお前なのです、カレン」
「な、何がだ?」
「何がどうなってティオの性奴隷に成り下がったのです?」
「べ、別に成り下がったわけでは……。ただティオ殿に惚れてしまっただけだ」
「解せぬのです。おかしくなりやがったのです?」
「む。私は正気だぞ」
ナギの棘のある物言いにムッとするカレン。
もどなしいな。
ナギめ、さっさと俺が教えてやった通りにしたらいいものを。
「……ごめんなさい、なのです」
「……え?」
「……だから、その、悪かったのです。【闇夜の星】で色々言って、ごめんなさいなのです」
あまりにも唐突な謝罪に目を瞬かせるカレン。
「随分と、素直に謝るのだな。ナギはもっとこう、一度口にしてしまったら謝れないタチだと思っていたが」
「……ティオの言う通りにしただけなのです」
「ティオ殿の?」
カレンはまたしても目を瞬かせる。
俺がナギに教えてやったカレンと仲直りする方法はそう難しいものじゃない。
「『自分がカレンに酷いことを言ってしまった時のことを本人の目の前で思い出せ』、『それだけでお前は自然と謝れる』とか言ってたのです」
「そう、なのか。何と言うか、しっかりしたアドバイスだな」
「しっかりしすぎてて本人か疑ったのです」
失礼な。俺だって真面目な時は真面目だ。
「……私の方こそすまなかった」
「じゃあ、これで仲直りなのです?」
「ああ。……ナギ、うちのギルドに入らないか?」
「……考えておくのです」
カレンとナギが仲直りしたようでよかった。
まあ、カレンはしっかり謝ったら許してくれるタイプの人間だ。
カレンからも謝罪したし、解決である。
「ふぅ。気持ちよかったぞ、アルネリア」
「はあ♡ はあ♡ もうらめぇ♡」
それからナギとカレンの仲直り記念と称してめちゃくちゃエッチした。
ナギは部屋の隅で気まずそうにしていたが、部屋の隅からちらちらとこちらを見ていたのを俺は見逃さなかった。
混ざりたいのだろうか。
もっともむとおっぱいが大きくなったらナギも俺のハーレムに入れて可愛がってやろう。
俺はナギもハーレムに加える妄想をしながら、肉欲に身を任せるのであった。
俺たちの夜はこれからだ。
一方その頃。
「――つまり、貴方は何を言いたのですか? ミス・クルルカ」
「何度も言わせないでよ!!」
クルルカはテーブルをドンと叩いて癇癪を起こした子供のように怒鳴り散らす。
それを冷ややかな目で見下ろすのは、黒縁のメガネをかけた美女だった。
艶のある濃い青色の髪を肩くらいの長さで切り揃えており、目元にはほくろが一つある。
しかし、ほくろ以上に他者の視線を集めるのは、その大きなおっぱいだろう。
少し動いただけでぶるんぶるんと激しく揺れ、それを包み込む礼服のボタンがいつ弾け飛んでもおかしくはない。
「あの男が!! 力を付ける前に徹底的に潰すべきよ!! 『未来視』のオリナ!!」
「……はあーあ」
「な、何よ!? その無駄に大きな溜め息は!!」
眉間にシワを寄せるククルカに対し、オリナの態度はどこまでも冷ややかだった。
「必要ありません」
「はあ!? あんたも【闇夜の星】の幹部なら知ってんでしょ!? あの男は根っからのクズだけど、性格以外は完璧なのよ!?」
「そうですね」
「油断してたら、あんたが新しく作ったギルドまで取り込まれるわよ!?」
「ああ、貴女が目をかけていた【蒼き炎】を取られて癇癪を起こしているのですね。お気の毒に」
「っ、べ、別にそういうのじゃないわよ!!」
口では違うと言いながらも、ククルカは視線を泳がせていた。
実に分かりやすい。
しかし、オリナはデキる女なので細かいことをわざわざ指摘したりはしない。
「と、とにかく!! あいつが力を付ける前に潰した方が絶対にいいわ!!」
「分かっています。ですが、必要ないのです。もう手は打ってあるので」
「だーかーらー!! ……え? 今、なんて?」
「もう手は打ってあると言ったのです。私以外に二人、元【闇夜の星】の幹部にも協力を取り付けました」
オリナの思わぬ一言で、ククルカは石のように硬直してしまう。
「作戦の決行は一ヶ月後の帝国祭。ティオ・カスティンを――暗殺します」
「え? え? それは、やりすぎじゃ……」
その時、ククルカは気付いた。
オリナの淡い水色の瞳の奥で激しく憎悪の炎が燃え盛っていることに。
一体ティオ・カスティンはオリナに何をしたのだろうか。
言い表せない不安を感じ、ククルカは少しドン引きするのであった。
―――――――――――――――――――――
あとがき
どうでもいい小話
作者「打ちきりです。申し訳ねぇ」
テ「!?」
作者「新作『出涸らし令息が姉の身代わりで勇者学院に登校したら男バレして弄ばれる話。』を今日、『いじめっ子と浮気した婚約者の不幸を神社でお祈りしたら妖狐様が嫁になりました。』を明日投稿します。時間のある方はどうぞ」
「いいところだったのに!!」「この雰囲気で……」「打ちきり!?」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
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S級ギルドを辞めたら俺をクビに追いやった爆乳美女たちが土下座で謝罪してきた件 ナガワ ヒイロ @igana0510
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