とあるカップルの愛と闇を描いた作品

この作品は妙に生々しい。

彼女の情緒不安定な様子。
そして彼の抱えるトラウマ。

作者の実体験かと思うほどだ。

(モデルにした漫画家はいるらしい。コメント欄参照。
最初私は、ねこぢるとその旦那さんをモデルにした話かと誤解してしまった)

なぜ美人な彼女が、特に美形でもない彼を選んだのかの理由も、きちんと語られている。
それはお互いに「死」に近接していたからだ。

つまりこのカップルは、愛だけではなくトラウマでも結びついている。

そのへんのところをちゃんと描いているので、説得力がある。

ラストで、自殺しようとした彼女が、生へ向かう。
それと共に彼は別れを予感する。

(モデルにした現実とは違って)彼女が生きるなら、このカップルは別れるのだろう。
それは破局だが、新しいはじまりでもある。

そういう未来があってもよかったですね。
面白かったです。

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