私、ねこさん

猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ

私はねこさん。

「ねこさんねこさん。おはよう」


 今日も誰かが挨拶してる。


「ねこさんねこさん。今日もよろしくね」


 そう言ってどこかへいく。


「ねこさんねこさん。今日も一緒に遊ぼ?」


 彼女はいつも優しい。

 もう人ではない私にもとっても優しくしてくれる。


「ねこさんねこさん。今日は本を読みましょう」


とっても彼女は優しくて。

そして彼女はとても無邪気で時に残酷で。

だからね、あなたは私みたいなことをされずにずっとずっと生きていってね––––––––––





ああでもやっぱり彼女はとってもとってもで。


「被験体番号2019–0406番。こい。このが」


こんな場所にいる私がただの猫であるわけがないだろうに。

その代わり彼女は私のような目に遭うはずもないが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私、ねこさん 猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ @NekotukiRmune

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画