濃く、容赦なく、心地よく迫る感情の濁流

最初に拝読して「言葉の使い方が新しい!」と思い、何度も読み返しました。

思い人への執着とも言える気持ちを、焼き鳥屋の臭いや川の生臭さと言った上品とは言いがたい場所に例える、その言葉に対する感性は新鮮で読み手の感情移入を深くさせます。

そしてその言葉の選び方の巧みさが、飾らない思いの強さを感じさせる。

一瞬の情景を特濃の感情描写で表現し切った素晴らしい短編でした。