第9話 メンドくさ

「ねえ梓、ちょっと聞いてもいいかしら?」


「ん?どしたのあやねん」


「友達のことで相談したいことがあって…」


 隆哉と出かけた日の夜、私は友達のこととしたうえで好きな人に女心を教えるためにデートをする関係についてどう思うか梓に聞いてみることにした。


 すると…


「んー…なんか負けヒロインって感じ」


「まっ、負け…っ!?」


「だって凄い面倒なことしてるじゃん」


 グフッ!?


「しかもその教えてあげるみたいなスタンス男受け悪そうじゃん?」


 ウガッ!?


「そういう決め手に欠けることしてるといつか他の女に取られるのがオチだと思うよん」


 グワァァァァァァァァ!!!!カンカンカーン ケーオー!


 流石は梓ね…躊躇という概念が無いわ。


「じゃ、じゃあその子にアドバイスするならどうすれば良いのかしら?」


 すると梓は少し悩みながら答える。


「うーん…ウチ自身はっきり伝えるのに気持ちとか時間がいるって気持ちは分かんだよね」


「でもいずれ気持ちを伝えたいなら、そんな事しないで仲良くなるために遊ぶなり出かけるなりすれば良いと思うよん♪」


「なるほどね…つまり仲良くすることに重点を置くべきってことね」


 それが出来れば困らないって話もあるけれど…まあ努力目標ってことで。


「にしても、梓は凄いわね!どんな相談にも親身になってくれるしアドバイスも的確で百戦錬磨って感じ!」


「えっ、どうしたのあやねん急に?悪いもの食べた?」


「何よ、そんなに私が他人を褒めるのが変なわけ?」


「うん」


 そっかぁ…ストレートすぎて一周回って傷つかなかったなぁ…


「と、とにかく!そんな梓のことだからモテてるのかなって思って」


「そんなことは…無いよ」


 おや?これは何だか含みがありそうだぞ?


「またまた〜そんなこといt」


「あやねーん、一つ忠告だよぉ?」


「他人のことをやたら詮索するような女ってモテないらしいよぉ?」


 これは…暗に聞いてくるなってことよね?


「わ、分かったわ…それじゃあまた明日、学校で…」


「りょ〜」


 ・・・・・・

 通話が切れるのを確認してウチは電話を置いて1つ伸びを入れる。


「にしても、綾音の奥手はどうにかならないもんなかぁ…」


 でも、ああやってただの幼馴染から脱しようとしてるあたり半歩、いや4分の1歩?前進なのかな?


「となると、ウチも頑張んないとなぁ…」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幼馴染に励まされ、また恋をしてみる 神在月 @kamiarizuki10

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ