中国による台湾侵攻と中露朝による日本消滅

カイ艦長(カイ.智水)

中国による台湾侵攻と中露朝による日本消滅

 中国によるサンゴ礁埋め立て・人工島建設・武装化と、ロシアによるウクライナ侵攻。

 これにより中国は台湾侵攻を画策しているのではないかとの疑念を生じさせます。

 しかし、台湾侵攻よりも太平洋の日本のEEZ内で日本の領海でないところに中国はブイを建てました。もちろんこれを足がかりに人工島を建設する裏の目的があります。その海域は日本領海でなく公海なので、どこの領海でもないから、それをいいことに太平洋への足がかりが欲しい中国はブイを目印に人工島を建設するはずです。

 その根拠はスプラトリー環礁を埋め立てたのと同様、中国に失うものがなく、得になることしかないからです。


 実は中国にしろロシアにしろ、現代の侵略国は「旨味がないところには奪わない」という大原則で動いています。

 なぜ中国がスプラトリー環礁を埋め立てたのか。周辺国の反発はあっても中国としては領海が増えて海軍が活動する領海を増やせる「旨味」があったからです。


 ではロシアがウクライナに侵攻したのはなぜか。

 ロシアが欲しいのは領土と奴隷です。

 ウクライナは農業国であり、国土の大半は農地です。

 つまりロシアがウクライナ領内を破壊し尽くしても、農地と農民が残れば当初の目的は達成します。

 ロシアはウクライナに「失うと困るもの」を見出していません。

 ウクライナの都市を徹底的に破壊してインフラも破壊する。ウクライナ市民の犠牲も厭わない。いや嬉々としてウクライナ市民を殺戮しているです。

 それは戦後を見据えるとわかります。

 ウクライナには高度な工業がほとんどありません。つまり仮にロシアがウクライナ全土を破壊し尽くしても、奪い取った領土は「広大な農地」になるだけです。

 しかし「広大な農地」を手に入れても、そこで働く農民がいなければ意味がありません。ロシアにとって、ウクライナの都市に住む市民は消し去ってかまわない存在です。農民さえ残っていれば、ロシアは「広大な農地」で働かせる奴隷を手に入れて、農業でロシアを潤すことができるのです。

 そうして、ロシアはウクライナを「広大な農地」とし、ウクライナ農民を「農奴」にするためにウクライナへ攻め入ったのです。

 ゼレンスキー大統領がウクライナのNATO加盟を目論んだから攻め入った形をとり、ロシア国内には「ウクライナのナチ政権がドンバス地域のロシア系住民を虐殺している」とプーチン大統領は詐術を弄したのです。

 しかし「ドンバス地域のロシア系住民」を救うのに、ザポリージャ州やヘルソン州を奪い取った正当な理由がありません。なぜこの2州を奪ったのか。それは同じく「ロシア系住民が虐殺されている」と主張するモルドバ東部への足がかりが欲しかったからです。

 プーチン大統領としては当面現状を維持し、折を見てオデーサ攻略に血道を上げ、モルドバの「沿ドニエストル共和国」を足がかりにモルドバ全土を手に入れたいのです。

 プーチン大統領にとって、ウクライナとモルドバは「広大な農地」でしかなく、住民はロシアに穀物を送るための農奴でしかないのです。


 ここで中国の台湾侵攻へと話を振り替えます。


 中国は台湾を占領してなにを得られるのか。

 ここが明確にならないかぎり、中国の台湾侵攻の現実味はわかりません。

 台湾は世界に冠たる経済力を有し、とくに先端半導体の技術は世界一です。

 中国が台湾へ武力侵攻した場合、この「先端半導体」をまるまる手に入れないと、台湾を攻め取った「旨味がありません」。

 せいぜい台湾海峡と台湾島を領土領海にできるだけで、経済的な旨味がないのです。

 なぜ中国は「旨味」を求めているのか。

 それは99年間の「一国二制度」がイギリスと約束された「香港返還」から、5年も経たないうちに香港の自治権を奪い取ってしまいました。これにより香港は「アジアの金融センター」の地位を失い、「香港の経済力」という旨味を逃してしまったのです。ただ中国の領土が増えただけに終わったのです。

 この失敗から、中国・習近平国家主席は「台湾の先端半導体」という旨味を逃せなくなりました。

 どうせ台湾を中国に組み込むのなら、台湾が保有する「先端半導体」技術もまるごと欲しい。

 これが習近平国家主席の思惑です。


 ですが、中国が台湾へ武力侵攻すれば、おそらく先端半導体技術は失われるはずです。中国本土からの弾道ミサイル攻撃、艦船や航空機からの巡航ミサイル攻撃をすれば、重要施設を破壊するしかありません。人民解放軍を台湾島へ上陸させて、武力と砲撃・銃撃によって制圧すれば、都市機能が損なわれることは否めません。

 つまり、中国がもし台湾へ武力侵攻してしまったら、「台湾の先端半導体」という「旨味が失われる」可能性が高いのです。

 だから、習近平国家主席は台湾へ武力威圧するだけにとどめるほかないのです。

 軍事力で攻め入ってしまうのは取り返しのつかない悪手になります。



 ここで日本の国防について話を転じます。


 日本は世界有数のGDPを有し、先端半導体などの重要な装置に使われる「精密部品」の作製技術で世界の最先端をいっています。

 つまり、中露朝が日本を占領しようとすれば、「精密部品」の旨味を逃すわけにはいかないのです。多くは下町の町工場が製造していますが、株式会社として世界へ輸出する企業もあります。

 であれば「精密部品」という旨味を手に入れるために日本を攻める、というのが日本侵攻の本質になります。

 しかし、日本のどこで「精密部品」が作られているかというと、日本各地なのです。確かに下町に多いのは間違いないのですが、中規模の都市であれば、なにがしかに「精密部品」を作る工場があります。

 もちろん農業を重視する県もありますから、そこへ侵攻して東京の国会議事堂への圧力として無血開城を迫る可能性が高くなります。

 たとえば沖縄県は農業と観光業で成り立っているため、仮に全島民を殺戮しても農産物と観光地が手に入るので「旨味」は残ります。

 だから、中国が日本へ侵攻しようとすればまず沖縄県を陥落させます。

 そこから北上して九州・四国・中国地方へと攻め入ることが考えられます。近畿で進軍がとどまるかどうかは未知数ですが、少なくともここまでは攻め寄せられます。

 そして北はロシアが北方領土とサハリンから北海道を占領。そこから南下して福島県の前後まで侵攻するでしょう。もし「福島第一原子力発電所」の管理ができると判断すれば福島県を落とすでしょうし、管理できないと判断すれば福島県の手前で侵攻は止まります。

 ここまでに占領された地域はほぼ農業県なので、たとえ破壊のかぎりを尽くしても「旨味」は確保できます。

 東京へ圧力を掛けたいのなら、さらに新潟へと転身して群馬県から首都圏を狙うはずです。


 ということで、軍事的に日本を攻めるなら、沖縄方面と北海道方面が最も有効です。

 どちらも農業県ですから最悪の場合「核ミサイル」を打ち込むことも厭わないでしょう。とくに日本語しか使えない農民に中国やロシアへの忠誠を誓わせるのは不可能に近いので、せっかく「農地」を手に入れても農産物を得られない可能性もあるからです。


 そして、もし中国・ロシア・北朝鮮にとって、東アジアにアメリカの同盟国があるのをよしとしない場合、「精密部品」という「旨味」があっても日本列島を核ミサイルによって消滅させる可能性もあります。

 東アジアにおいては日本と韓国さえ消し去れば、中国・ロシア・北朝鮮という権威主義国家が武力を背景に地域を共同で支配できます。

 そのほうが権威主義国家として「旨味」があれば、彼らはためらいなく核攻撃を仕掛けるでしょう。

 日本の歴史も領土も人民も、権威主義国家になんの益ももたらさないのであれば。


 そうならないように、日本は世界で代替のきかない「旨味」をどれだけ手に入れるかが国家戦略になります。

 もちろん軍事費を増額して、中国・ロシア・北朝鮮が攻めてこないように牽制するのも必要です。

 しかし台湾における「先端半導体」と同じくらい、失われると攻めた国自体が損失を被るような代替のきかない「旨味」があるのかどうか。

 農業・漁業などは農民と漁民がいれば代替がきいてしまいます。

 とくに工業分野でどれだけ「旨味」を作れるか。

 ニデック(日本電産)の「モーター」は、中国が電気自動車を生産するうえで欠かすことのできない部品なので、中国が電気自動車を国家戦略にしている間は、中国からは攻められないでしょう。


 現在、世界に冠たる技術は「精密部品」だけではありません。

 「マンガ」「アニメ」に見るソフトパワーの力です。

 中国・ロシアも日本産の「マンガ」「アニメ」を消費しているので、このソフトパワーが健在のうちは、権威主義国家が日本を攻める「旨味」がありません。

 もし日本産の「マンガ」「アニメ」が失われたら、彼らの娯楽も消えてしまうのですから。



 ということで、『カクヨム』で小説を書いて、どんどん「コミック化」「アニメ化」していったら、日本の平和を守る一助となるでしょう。




 完




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