外人部隊 🚢

上月くるを

外人部隊 🚢



マロニエの花咲く都はるかなり

止り木の地の果酒場サンドレス


夕凪に浮かぶは宵のシャンゼリゼ

白南風や赤い風車の踊り子でした


起し絵の波瀾ばんぢやうわが人生

振り出しは移民のむすめ紅の薔薇


弟妹のためなら平気虎が雨

酒の味覚えたころは酔芙蓉


金魚草ムーランルージュ泳ぎたる

腰までの髪に挿したるさるすべり


それからは生々流転さみだるる

双六の上りはカスバofアルジェ


夏の灯や夜ごとに変る傭兵さん

初恋のひとのおもかげ夏芝居


夏の星ひと夜の恋のせつなさよ

月涼し明日はチェニスに行く身なり


遠征の大儀をあんじ顔のぞく

大丈夫さ無言で首ふる扇風機


白シャツの外人部隊見送りぬ

星涼し買はれた命を愛しめる



  

※昭和の名歌謡『カスバの女』(大高ひさを作詞 久我山明作曲 1955年)

 をモチーフにさせていただきました。




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外人部隊 🚢 上月くるを @kurutan

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