「おとこ日傘」「地球儀一周」などで、各地への旅に出ていた詠み手が、地元に帰還。夏の終わり、そこでの日常を綴った連作短歌。
ご近所づきあい、町内会の掃除、家族とののんびりした過ごし方。
もう見飽きたはずの地元の光景も、旅によって育まれた感性「色彩を読み取る視点」で見ると、また違った形を見せます。
そのときの人の心情によって、世界の彩りは、様々に姿を変えます(例:最愛の人を亡くしてから、僕の世界から色が消えた)。
瑞々しくも、ちょっとセンチメンタルな言の葉たちが、秋の気配を運んでくるような気がします。