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一階のメインロビーに着くと、ずらりと並んだ豪華な椅子と机が目に入る。机の上には美味しそうな料理が並べられている。その奥に8つ独立して並べられている椅子と机は、エイト・トップ・スペシャルアテンダント用だろうか。
先ほどの様に、大階段が沈み専属オーケストラが出てきた。コンサートマスターの音に合わせて皆がチューニングする。コンダクターが出てきた。タクトを握っているのは、セミ・アテンダント・マスターのソシールだ。
そしてアナウンスが流れる。
『本日もまたご夕食の時間がやってきました。今日という日はどんな日でしたでしょうか?皆様お席におつきください。本日はフォース・ジェネラル・アテンダント、ジョローユイさんのリクエスト、波崎 ジョー作曲「山の麓のオーケストラ」です。指揮はセミ・アテンダント・マスター、トウ・フノミ・ソシール様。コンサートマスターはファースト・ジェネラルアテンダント、ヒューキタンさんです。皆様どうぞ優雅なひと時をお過ごしください。』
アナウンスからもエイト・トップ・スペシャルアテンダントの立場の高さがわかる。
ソシールがタクトを降り始めると優雅な音楽が流れ始める。宮里が席につくと、隣に雷丸が座った。
「今日は純くんのために、スペシャルディナーを用意したの。気に入ってくれた?」
「あぁ、ハンバーグにパスタに夢の様だよ。どれから食べようか」
「待って。あーん!」
パク
「う、おいしい!」
「でしょ!それ私が作ったやつなの!」
「んんっ、通りで美味しいはずだよ。」
「純くん、、、」
2人の体が近づく。すると、
「コホン、クラム特製クラムチャウダーでございます。お二人の様にアツアツなのでお気をつけてお召し上がりください。」
「あら、クラム。たまには粋なことを言うじゃないの。」
「褒めていただき光栄です。」
「そうだ。ジョローユイさんを呼んで。」
「しかし彼は、ジェネラル・アテンダント。お嬢様と会話ができる立場では、、、」
「つべこべ言わずに呼んできなさい。お嬢様の願いが聞けないの?」
「、、、わかりました。少々お待ちください。」
『クラムだ、ジョローユイをl5まで頼む。大至急、お嬢様命令だ。」
やはりこの家では、ジェネラル・アテンダントとエイト・トップ・スペシャルアテンダントとは明確な差があるみたいだ。そして誰も夏菜子の言うことには逆らえない。
「ねぇ、やっぱりさジェネラル・アテンダントとさエイト・トップ・スペシャルアテンダントって立場が違うの?」
「そうみたいだよね。私のお父さんの頃までは、クラムしか雷丸家の人間と会話できなかったらしいわよ。
でも一人としか会話できないなんておかしいって申し立てて、いまはエイト・トップ・スペシャルアテンダント8人との会話が正式に許されているの。ただ、いまはお父さんがウィーンに行ってるから、ある程度家でのびのびできるんだ。今日みたいに許嫁でもない男の子を泊まらせたってお父さんにバレたら、私は間違いなく破門ね。あと、ジェネラル・アテンダントの中でもカースト制の様なものがあるみたい。でも制度を変えられるのは純血統の男子と既婚の女子だけがなれる頭首。いつか私もなってやるんだら。」
メガネの男性が慌ててこちらに走ってくる。だが、滑って転んでしまった。
「いてて、、、」
「こら、ジョローユイ。屋敷の中では走るなと何度もポルシチに注意されているだろう。」
「も、申し訳ありません。」
「まったく。そんなであるからいつまで経ってもサードに上がれんのだぞ。もうフォースは飽きただろう。」
「まぁあぁ、そんな耳の痛くなる話は置いといて。お嬢さま、この
私になにか御用ですか?」
「えぇ、ちょっと話したいことがあるのだけど。」
「(まずい、お嬢様のプリン勝手に食べたのがバレたのか?)はい、
なんでしょう。」
「あなた、波崎ジョー好きなの?」
「ええ、大ファンですとも。」
「好きな曲あるの?せーので言いましょう。」
「せーの、」
「「「海のコラール」」」
「やっぱりピカ1よね。どのあたりが好き。」
「そうですね。やはり音楽の真髄の様なものが見えるところですか
ね。ジョーの音楽には心揺さぶられるものがあります。」
「わかります!最高ですよね」
「失礼ですが、こちらのおぼっちゃまは?」
「宮里 純くん。クラスメートよ。」
「ほう、ボーイフレンドですか?」
「ち、違うわよ。」
「おや?頬に夕焼けが、。」
「コホン、調子に乗りすぎだ。そろそろ持ち場に帰りなさい。」
「えぇ!もっと話したいわ。」
「いけません。お嬢様。ジェネラル・アテンダントたるものがお嬢様と長時間話すのは言語道断です。」
「頭が硬いわね。甘いものでも食べてリラックスしたらどう?」
「、、、これ以上話されるつもりなら、ボーイフレンドでもない宮里お坊ちゃまを家に泊めたことを、頭首様にご報告させていただきますよ。」
「むぅ、そんなことしたらあなたの立場があやういわよ」
「雷丸の名を守るためなら、わたしなど身を粉にしてでも働くつもりでございます。現に私はこの家に半世紀以上仕えて、頭首様と信頼も築いております。生まれて間もない世間知らずのどこかのお嬢様とはめっきり違います。甘いものでも食べてリラックスした方がいいのはどちらでしょうか。」
「クラム、本当にあなたとは馬が合わないわ。」
「合わなくて結構でございます。馬が合う人の召使はつまらないですから。」
「さっきから私のこと舐めてるでしょ?」
「いいえ、先ほど申し上げたどこかのお嬢様というのは、夏菜子お嬢様のことではないかもしれませんよ。
お嬢様、気が立っていらっしゃるのですか?お気に入りのキャンディでもお舐めになられますか」
「、、、もういいわ。あなたと喧嘩してると昔を思いだすわ。フリーザーからプリンを持ってきてちょうだい。」
「(まずいバレる)わたしはそろそろ、、、」
「お嬢様、プリンがございません。食べてしまわれたのではないですか」
「そんなはずはないわ。誰かが食べたのね。」
「確認してまいります。」
「じゃあ、私はこの辺で。」
「待ちなさい。」
「ハイナンデショウ。」
「これはおまえだな。お嬢様のプリンを美味しそうに食べやがって、」
「つ、ついつい美味しそうで、、、。」
「言い訳無用!!!アテンダント・マスターの職権を発動する!フォース・ジェネラル・アテンダント、ジョローユイを2週間の停職処分とし、養成学校での再履修を命じる!並びに、復職後はフィフス・ジェネラル・アテンダントに降格とする!!この罪は重い!しっかりと反省せよ!」
「ちょっと、やりすぎじゃない?」
「いいえ。まだまだ優しい方でございます。これを一般社会でやっていたら立派な窃盗でありますから。」
「むぅ、」
「あの、そんな頭首のいうことって絶対なんですか?」
「左様でございます。頭首様というのはタイタングループの長にして象徴でございます。この家に使える身として、頭首様のいうことに逆らうなど、万死に値します。」
「頭首様って誰なんですか?」
「それはお嬢様とトップ・エイト・スペシャルアテンダントのみぞ処刑知ります。頭首様のご正体を他の者に話したら最後、クビが待っています。」
「ひぇーっ、わかりました。」
「そろそろダンス曲になりますよ。お二人で踊られたらいかがですか。」
「いいわね、純くん、shall we dance?」
「Of course.」
軽やかなバレェ音楽が流れ始める
「さぁ行くわよ。」
「1、2、3...」
「上手ね。踊ったことあるの?」
「いいや、初めて。」
「やっぱり楽器やってるからリズム感いいのね。」
「いや、君と踊っているからだよ。」
「、、、嬉しい。、待ってこの曲...。」
「どうした?」
「この曲、最後に演者がキスするんだけど、」
「え、もっかい言って?」
「(あぁ、もう、終わっちゃう!仕方ない。)するね!」
「何を...」チユッ。
「な、な、ちゅっ?え、嘘?マドンナと、え、」
「フィナーレよ!」
「(ロビー中に歓声と拍手が響く。わけがわからない。ちゅっ?えっ?まさかキス...)フィナーレ...、」
バタン!
彼はその場で卒倒した。今日2回目の気絶であった
「Music Has a No Correct 」 @Aojishakunoi
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