川遊びにはお気をつけて

第9話 完全犯罪ってあり？

朝になって、はー君は怠そうだったわね。

咳もしてたわね。

「はー君、風邪引いているんじゃないの？

川遊びは辞めたら？」

「はぁー？なーんーでーすーかー？

あんたと一緒の空気を吸ったから調子悪いんですけどぉー！」

「そう、、。

じゃあ、これ、風邪薬よ。飲んで行くといいわ。川遊びの頃には楽になるわ。」

「ふーん。気がきくじゃん！」

はー君は私の目の前で、カプセルを飲んだ。

そう、、。

はー君が川底に沈んだのはね、睡眠薬が効いて

意識が朦朧としたから。

ごめんね、はー君。

ママが欲しかったはー君じゃないんだもん。

要らなくなっちゃったの。

呼吸器のアラームが鳴って、先生までやって来たわ。

あら、心電図の脈拍が減ってきてる。

「お母さん、残念ですが、、。」

と先生が言うわ。

「はー君！！」

私は手を握り頬をさするわ。

だんだんと心電図は脈が遅くなって、

ついにピーと音がしたわ。

先生ははー君の目を見て、胸とかを聴診器で聴いてね。

「ご臨終です。」って言ったわ。

ママね、泣くふりするの大変だったわ。

子供の頃に飼ってた猫が居なくなったのを思い出してやっと泣けたのよ。

はー君、川に入る前にお酒飲んでたでしょう？

それと、悪さばっかりして警察のお世話になってたから、それが原因だって事になってね。

ママは何にも疑われなかったの。

ああ、それとね、はー君に掛けてた保険ね

ママがもらったのよ。

パパからもね、離婚する代わりに慰謝料をたっぷりとぶんどってやったわ。

ママね、新しいマンションで猫と暮らしてるの。

猫はね、ママの言う事をね、ちゃんと守るのよ。可愛いの。

人間の子供なんか厄介なだけね。