終末、救いたいんだと思います

　主人公である零香には、使命があった。両親から託された、『世界を救う』という壮大な使命が。
　街は滅び、文明はかつての形を失い、辺りには危険な無人兵器が跋扈する世界で、彼女は世界を救うための鍵を持っていた。研究者である両親は、無人兵器の暴走を止め、さらに枯れた植物を再生させ、文明を再復興する――そんな『世界を救う機械』を作っていたのだ。
　彼女は、その機械本体を稼働させるためのコアとなるものを持っている。それを両親から言われた目的地までそれを運び、世界を救う機械にそれをはめ込むことだけが、零香の目的だった。誰も信じず、誰も頼らず、ただその使命を果たすためだけに彼女は走る。

　そんな零香は、ある日一人の生存者と出会うことになる。その生存者は、零香が道中で落としてしまった荷物を物色しているよう…続きを読む