概要
「もし自分が人間じゃなくて、ナシとして生まれていたらって」
【僕はナシに対して何の負の意識もない。勿論、命を戴く、という意味で思うことはある。けれど、じゃあなぜナシに対してだけ、それ以外の食糧以上に深い敬意を持たなければいけないのか? つまり、ジャガイモやニンジンや苺や小麦はナシ以下の存在だとでも言うのか?】
新しい食肉"ナシ"についての話です。
新しい食肉"ナシ"についての話です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!食の教科書の1ページ目
この作品はとんでもない文学パワーを放っている。
正直私も他人に強要するような菜食主義の方には嫌悪感がある。その嫌悪はあくまで法を犯すような強要に対してであり、本来は菜食主義そのものを含んではいけない。だけど世間は菜食主義全体に対して悪いイメージを持ちつつあると思う。
この作品は菜食主義の方が持つ「肉を食べる」という罪悪感を「冴えたアイデア」ですべての人が自分のことのように考えることができる形に拡張している。この話を読んで肉食について影響を受けない人間はいない。それほど優れたアイデアである。
だから私は前半で少し怖くなった。とんでもない冴えたアイデアだが結論が極端にどちらかに寄っていたら…続きを読む