第9話 変貌 村の守護者
「遅くなってしまった、エレナが心配しているだろう、アントワ!オーガ族の危機は去った、私は村に帰る」
『主様、われも一緒に帰るぞ、じゃがオークの死骸を村のお土産に持って帰る事を勧めるぞ!オークは見てくれは不気味じゃが肉は旨いからのぅ』
「私も思ったが、持って帰るのは無理だ」
『配下に主様が命じれば良いぞ』
オーガ達が期待の眼差しで私を見ておる。
「お前達運んでくれるか?」
『『『『『ヨロコンデ』』』』』
(アントワほど流暢では無いが、オーガ達も人語を話すのか)
アントワと10頭のオーガ達が、両肩にオークを担ぎ運んでくれるらしい、残ったオーガ達は80頭以上残ったオークの解体を始めていた。
流石オーガは尋常で無い力があるが、私も試しに担いでみると予想外にオークは軽く感じた。
と言うか私の人外化は更に進んだ様だ、私も両肩にオークを担ぎ村に向かった・・・が、方向が分からん、アントワの先導で村に向かった。
人外化か?来た時の半分20分で村に着いた。
「じいちゃん?」
「エレナ、戦利品だ!討伐したオークを24頭担いで来た、村人集めて貰えんか?肉を配る!」
「やっぱじいちゃんだ!別人に見える?おじちゃんと言うか、お兄ちゃんって感じになってるよ?」
やはり風貌が変わって居るのか、エレナが私と認識してくれたなら良しとしないと、若返りと人外の力の方が有意義だ。
オーガが共同
「オークの肉が貰えるとか聞いたが?」
「良い所に来た、好きなだけ持って帰れ!」
エレナが声掛けして回り、次々に村人が肉を受け取りに来た。
「「「有り難や!肉の食い放題じゃ!!」」」
「「「「「ケンジャさん、ありがとう!!」」」」」
大勢のオーガ達解体作業に肉配布で、村人達は恐れなくなった。
相変わらずアントワには、子供達がまみれ付いて遊んでる。
一方的に食い物を配って貰えるのは、助け合いのヒナビ村の村人に取っては、お返しのしようの無い事、村人全員の相談の結果、村長は相談役として引退、私が新村長に押された。
「「「村の守護者!ケンジャ村長!!」」」
12天魔王軍の生き残り、5人の12天皇が襲って来たが、四天王の生き残りアントワを見て怯み、私を見て平伏した。
その後も魔王軍の残党が襲って来たが、戦う事無く平伏した。
魔王の気は更に強烈になった様でアントワと私の働きにより、魔物は人を襲わなくなり究極の平和が訪れた。
数年平和が続いたある日、見慣れた3人がやって来た。
「魔王に占拠された村はここか?!魔王!討伐に来た!!覚悟せよ!!」
「勇者アスカル、久し振り!元気そうだね、聖騎士ストフェルに聖女ウインも久し振り!」
「ん?んん?魔王に知り合いは居ないぞ?お前は魔王では無いのか?」
「私だ、賢者のケンジャだ、オジイだよ!」
「魔王が復活して、辺境の村を占拠してると、王から討伐依頼を受けてやって来たが・・・オジイ随分変貌したな!あの時の呪いのせいか?」
「アスカル、その通り魔王の忌の際の呪いかな?私自身は何も変わって居ないが」
「オジイ、その様だな、村人や子供達がオーガと一緒になって、オジイを守ろうとしてる!」
「ケンジャさんが守護してる村、平和でノンビリしてる、私も住みたいよ!」
聖女ウインが言葉通り村に住む事になった。
勇者アスカルと聖騎士ストフェルが、平和な様子を国王に報告して、村に帰って来た。
勇者パーティー全員が暮らす村は、いつまでも子供なアスカルに必要な事さえ言わん無口なストフェル、のんびり過ぎていつも寝ている様なウインに手こずりながらも、ケンジャ村長のヒナビ村は何時までも平和だった。
魔王の祝福を間違いで受けてしまった賢者 犬時保志 @ysxyz
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