2章 魔人に進化

第8話 Yesですか?はいですか?

 拘束した第六四天王のオークキング、耳から血を流し死んでいた。


「力の加減あやまったようだ、殴っただけで死ぬとは」

『主様、そのブタ殺して正解ぞ!魔王様の命令もアホなブタは意味が分からんようで、言うこと利かんで生きて居ったら主様に対し、絶対災いにしか成らんかったぞ!』


 アントワが私に話ている内に、配下のオーガ達がオークキングを逆さに吊り下げ、首を切り裂き腹を切り開きあばら骨を開き心臓を取り出し、枝に突き刺し火に炙ってる。

 他のオーガが手早く解体し、枝に刺す者大量の肉を焼く者分担作業で、呆気に取られている私の前に大量の焼き肉が盛り上げられた。


(岩塩を振り掛けて、オーガって料理するのか?)


『主様、殺した者は殺した相手を食してやらねば成らん!まず主様から食してやれ!その後われも食す、配下の皆にも分け与えてくれ!』

 と言いながら私に枝に刺した心臓を差し出した。


「オーク肉は旨いが・・・心臓を食った事は無かった」

 回りを見ると、オーガ達が私が食べるのを待っておる、食わん訳には行かんようだ。

「・・・おっ?旨い!」

 岩塩で味付けされた心臓焼き、思いの外旨かった。

「ガリッガリガリ・・・おっ?魔石を噛み砕いて食ってしまった!」

『主様が第六四天王の命を引き継いだ!皆も相伴しょうばんせよ!』


 待っていたオーガ達が一斉に肉を食らい出した、魔石で口の中がジャリジャリするので、口直しに私も肉を食った。

 私が一切れ食っている内に、30頭のオーガ達、瞬く間に大量の焼き肉を食い尽くしていた。



「・・・熱い!・・・」

【条件が整いました、魔人に進化しますか?】

「何を言ってる!魔人なんかになるものか!!」

【魔人に進化しますか?】

「しません!!」

【魔人に進化しますか?】

「Yesかはいの二卓?」

【魔人に進化しますか?】

「・・・困った、人間辞めたく無いぞ!」

【魔人進化始めます】


 身体が焼き尽くされるような痛みが続く、耐えきれない苦しさに意識を手離した。


『主様は元々人間とは思えない男前じゃったが、一層美男子度が上がっておるぞ!』

 アントワの呼び掛けで意識は戻ったが、オーガが見て美男子とは・・・森の賢者オランウータン顔が、もっと酷い人外顔になってるって事だろ?困ったぞ。

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魔王の祝福を間違いで受けてしまった賢者 犬時保志 @ysxyz

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