第8話

僕達はデパートに来た。


デパートに向かっている時も康介くんと話していた。


話の中で気になったのが、迷宮ダンジョンと呼ばれる場所が各地にあるらしい。


そこにも多くの魔物がいるみたいなんだけど、お宝も眠っているそうだ


「まぁ、ほとんどが襲ってくる魔物と戦ってるから迷宮に潜るやつはいないんだけどな」


と康介くん。

確かにそうだ。幸いなことに、迷宮の中にいる魔物はそこから出ないらしく、襲ってくる心配もないんだとか。


でも、一応頭の隅に入れておこう。

何かあった時が怖いし。


「デパートも久しぶりに来たな」

「そうか、天雷にとってはそうなるよな」

「ああ、神谷くん達帰ってきたよ!」


委員長こと村田さんが皆にいった。


「遅くなってごめんな皆」

「心配したんだぞ!」

「ごめんって唯斗。天雷に色々説明してたんだよ」

「そうなんだ。でもどうして説明?」

「そんなことより、天雷の隣にいるその子は誰なんだ?さっきもいなかったか?」


小森くんが割ってはいる。


「ちょっと待て。今からその説明をするから。全員集まってるか?」

「ああ」


取り残されたのは全部で15人で、いずれも中学校で同じクラスだった人らしい。


委員長しか覚えてなかったんだけどね。


……本当にみんなごめんね。怒ってないよね?


全員いるのを確認した康介くんが皆に説明する。


「天雷は1年前に迷宮に落とされたらしいんだ」


康介くんの説明によると、僕は1年前に魔物の襲撃で迷宮に落とされたことになった。


そこで過ごす中でスフィアを見つけて連れて帰ったという。


即興にしてはよく出来てるね。


「じゃあ迷宮を攻略したってことか?」

「いや、安全な場所があったらしくてそこで過ごしていたそうだ」

「だから覚えてなかったのか」

「でも迷宮に1人でいたんでしょ、大変だったんじゃない?」

「すげえ根性をしてたんだな篝は!」

「ナヨナヨしてる奴だと思ってたけど頑張ってたんだな!」


皆に励まされることになった。


作り話だけど、異世界で頑張ったと言えばすっごく頑張ったから、褒められて嬉しくないわけがない。


「スフィアさんって言ったよね!可愛い!」


村田さんがスフィアに抱きつく。


「あ、ずるいよ!私も」

「じゃあ私も」


スフィアはスフィアで女子に囲まれていた。


スフィアは嫌そうな顔をしてるが拒絶はしてないから大丈夫か。


「明日からは天雷も皆と行動するからな」

「そうなのか!楽しみだな」


どうやら皆はランキングのことを気にしてないようだった。


いい人達だったんだな。今度から忘れないようにしないと。



その日、僕はデパートで一夜を過ごした。


結論、デパートには食料もあるしベッドルーム(売り場のだけど)もあるし、シャワールーム(従業員さんたちが使ってたのかな?)もあったから結構前、住み心地は良かった。

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異世界から帰ってきたら世界が変貌していた。 薄明 @kam1225

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