第二話 終わりの始まり
「おはよ〜」
「おは〜」
「クラスどうだった?」
「おはよう〜」
俺が学校についた頃には、クラス表がもう体育館前に貼られており、たくさんの生徒が集まって、各々いろんな話をしていた。そしてすぐに入学式の会場に行くように先生方に誘導され、出席番号順に席に座らされている。
地元で有名な偏差値の高い学校ということもあり、校長先生や、先生方の話が長い長い。飽きそうになるが、高校生たるもの居眠りはいけない。俺は真面目なんだ。たぶん。
そろそろ入学式が始まってからもうすぐ三時間になろうとしていた。
その時だった。
「きゃぁああ!!!」
突如、女生徒の悲鳴が聞こえた。自然と周りの視線がその女生徒の方へ向けられる。その悲鳴を合図に、次々と悲鳴が聞こえてきた。俺から一番近い悲鳴を上げた生徒の方を見て俺も悲鳴を上げそうになった。そこには血まみれの男子生徒が倒れていた。そして、その血を周りの生徒がすすっていたのだ。その生徒たちの目は紅く、人間のふりをした化け物に見えた。生徒達は一斉に非常口に向かう。だがそこに黒いコートを着て深くフードを被っているロングヘアの女生徒が現れた。
「どけ!!!」
「邪魔だ!」
パニック状態になった生徒たちをよそにその女生徒はよく通る声で語り始めた。
「いやはや、生きているとは面白い。本当に面白い。興味深いとも言える。そうは思わないか?僕達のように死んでもいない、だが、生きてもない、屍のアンデットは君達を実験体にしてしまいたいほどに君達が愛おしい。」
語った言葉とその容姿に僕は初めて見た気がしなかった。ん?あいつ、何処かで見たことあるような…。アンデット?アンデットってゲームとかでよく聞く屍か?あいつは何を言っているんだ?
「はあ!!お前なんかどうでもいいんだよ!!」
「そうよ!ここから出して!!じゃないとあの化け物に殺される!!」
そうだそうだと生徒たちはそいつに向かって各々叫びだした。すると、そいつは不機嫌そうにうーんと唸った。そしてニヤリと嗤い、人差し指をピンと立て、いいことを思いついたと言わんばかりに口を開いた。
「気が変わった。今からお前達を使って実験をする」
は?
「さあ、少年少女揃いまして。阿鼻叫喚を始めよう。」
パチン!
UNDEAD 成田要 @yugitora
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。UNDEADの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます