ボカロあるある「埋もれる」を解説する
六野みさお
第1話 埋もれた
さてみなさん、「埋もれる」ってどういう意味でしょう。普通は地面に埋められることですよね。だがこれは芸術界隈では違った意味になります。良い作品を出したにもかかわらず、何かの原因であまり評価されていないことを「良作が埋もれる」といいます。これはボカロ界でもよく起こります。ということで、今回はよくあるボカロの埋もれ方を解説していきます。
「埋もれる」という言葉は「(何かに)埋もれる」という意味を含んでいます。つまり、同時期に投稿された他のさらなる良作があるために当該の曲に相対的に注目が集まらなくなるわけです。まあこういうときは初動が大事になるので、大手となるべく被らないように新曲を投稿するのが良い選択です。DECO*27とピノキオピーが新曲を出し、同時にいよわがプロセカタイアップを投稿してくるようなものです。こういう展開は絶対なさそうなのによく起こるんです。なぜならDECO*27とピノキオピーは何も考えずいきなり金曜日に新曲を投稿してくるからです。なんならDECO*27は今年の3/9にはポケミクタイアップ(Eve)に対してわざわざ勝負を挑んでいます(だがさすがに粉砕された)。
特にボカコレなどの投稿祭では、数え切れないほどの新曲が乱立します。まあ平凡なPなら確実に埋もれます。私も普通に10000再生くらいあるのに日刊ボーカロイドで「このPの代表作は前回のボカコレに出したもので云々」とか言いつつ全く把握していなかったりします。でもこういうときこそ後になって粘り始めて最後にはブーストかかって他を抜かしていくのが気持ちいいんです。人マニアとかのだとか脳汁分泌されますね。
別に同じ日に投稿された曲でなくても、数年経てば近い投稿日の曲は埋もれる対象になります。特に21年夏とかは名曲が乱立したので、すでに伝説入り達成してるレベルでも埋もれています。2021/9/30の夜に「今月の最強曲はエゴロックだ!」「いや神っぽいなだ!」と二人のボカヲタが喧嘩していると、Eveのプロセカタイアップの新曲が流れてきて議論が終了するネタすらあります。なおこのときはEveの新曲は初動だけで、神っぽいなが粘ってこの月の覇権を獲得しています。
どうすれば埋もれるのを避けられるのでしょうか。それは誰も投稿しなさそうな日時を狙うことです。よほどの大手でないのであれば、金・土・日の夜、3/9(ミクの日)や人気ボカロの誕生日、9/30のプロセカサービス開始日に新曲を投稿するのは避けましょう。できれば4/5(wowakaの命日)や8/15(カゲプロの日)などの特定旧曲にブーストがかかることが確定している日も避けましょう。ボカコレなど投稿祭の直前に新曲を投稿するのも避けましょう。すぐに大量の新曲ラッシュが来て埋もれます。強風オールバック? あれは例外です。深夜(前回のマサラダ)や朝(22年夏のラマーズP)に投稿するのも有効であることがあります。とにかく週末の夜は激戦区であることを覚えておきましょう。
埋もれることはボカロPにとって屈辱ですが、それを逆手に取って「埋もれたP」と名乗ったPがいます。それがざれごと(埋もれたP)です。このPはボカコレに新曲を投稿したものの埋もれてしまったため「埋もれたP」と名乗り始めました。このPが新曲を出すと「うぽつ(=up乙=upotu。ニコニコで新しい動画を投稿した投稿者をねぎらう用語)」ではなく「埋ぽつ」とコメントすることが通例になっています。ニコニコは死んでるので知りませんが、このPのYouTubeの最高再生数は9796回です。まだまだ埋もれてるなあ。
ということで、簡単でしたがボカロ曲が埋もれる問題について見てきました。最後に警告をします。今ニコニコは使用不能ですが、これが復帰した場合大量の新曲が一気に投稿されます。リアルボカコレは大手に任せ、弱小Pは二週間後くらいにこっそり新曲を上げましょう。では、今回はここまで。
ボカロあるある「埋もれる」を解説する 六野みさお @rikunomisao
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