第4話・水属性のビキニアーマー水の守り人
プルシャ、金属ビキニアーマーの魔呪姫、毛皮ビキニアーマーのミノタウロス娘の三人は、湖の辺りにやって来た。
三方の岩山から滝が流れ落ち、湖の中に古代遺跡がある景勝の湖だった。
ビキニアーマー〈下〉ムニンが言った。
『あたしの記憶だと、この湖には水を守る〝水の民〟がいたはずだと……気をつけてください、水の民は一言の断りも無しに水を汚されるのを嫌がりますから』
ムニンが忠告している先から、ミノタウロス娘が石清水でうがいをした口内の水を、湖に向って吐き出したり。
魔呪姫が茂みで放尿したせせらぎが、湖に向って流れていく。
『あぁ、言っているそばから……そんなコトをしたら、水の守り人の怒りが……』
湖に渦が巻き、渦の中央から一人の女神のような服装の少女が現れた。
少女は跳躍すると、プルシャたちを見下ろす岩の上に立つ。
アラビアの踊り子のような水の頭布をかぶり、口元を水のベールで隠した少女が咳払いをしてから言った。
「水が多少は汚れるのは生活で使っていれば……水の浄化範囲ならしかたがない、水の守り人のボクの代の民は、昔みたいに古い水の民みたいな、厳粛な聖地の聖水感覚はないから……でも、一言も」
水の守り人の背後から大量の水柱が、魔呪姫とミノタウロス娘を襲い、水球に閉じ込める。
「挨拶も無しにうがいをした水を湖に吐き出したり、オシッコを湖に向って流すとはどういうつもりだ! ボクに『これから、うがいをします』とか『これから、
ゴボッゴボッと水球の中で、苦しがっている姫とミノタウロス娘を見てプルシャが水の民少女に言った。
「わたしが代わりに謝るから、二人を許してくれない……湖の水を汚してごめんなさい」
「君は武闘大会優勝者のプルシャだろう、噂はこの湖の地にも届いているよ。ボクは水の守り人であると同時に、武闘派なんだ大会には湖から離れられないから出れなかったけれど……念願が叶った、ボクと闘え」
水の守り人少女の女神風の衣装が溶け流れるように消えて、代わりに水属性のビキニアーマーが現れる。
断続した水滴のような腰紐や胸紐でどうやって、半透明な水のビキニアーマーが体についているのか不明なギリギリ危ないビキニアーマーだった。
腰には水膜のような腰布がついていて、水の二丁拳銃が水滴腰紐に吊り下がっていた。
いきなり、プルシャが湖から離れるように走る。
「待て、ボクと闘わないで逃げるのか! 卑怯だぞ!」
津波に乗って追う水の守り人の少女。
プルシャは少し広い場所まで走ってきて、少女と向き合う。
「ここでなら、湖に被害は出ない」
プルシャの目は水属性ビキニアーマーを装着した、少女のヘソ穴に注がれる。
穴には金属が埋め込まれていた。
「そのヘソの穴に埋め込まれているの、わたしの体の一部だから……ください」
「これは、湖の底で見つけたお気に入りだから……あげない、それよりボクと勝負しろ」
少女の体がスライムのように液状化して、移動しては別の場所に現れる。
水属性ビキニアーマー少女が、水の二丁拳銃をプルシャに向って連射する。
クラゲのような形の水の弾丸を避けるプルシャが岩陰に隠れた。
「どこの隠れてもムダだよ、変幻自在な水の民からは逃れられないよ」
◇◇◇◇◇◇
液状化してプルシャが隠れている岩の後ろに回り込んだ、少女の口から驚きの小声が漏れる。
「えっ? なにそれ?」
そこには、異世界には無い兵器──長剣が変化した戦車があった。
「ファイヤー!」
近距離の砲撃が水の少女を吹っ飛ばす。
水滴になって散った水少女の体が、集結して元の状態もどると。
水属性ビキニアーマー少女は、感激で震えた。
「すごい、すごい、こんなスゴいビキニアーマーの人がいるなんて……この世界には、まだまだスゴいビキニアーマーがあるに違いない。水の守り人は他の水の民に任せて、ボクも一緒に旅をさせてください……プルシャ姐さんと、呼ばせてください尊敬します」
こうして、水属性ビキニアーマー少女が仲間になった。
おしゃべりなビキニアーマーと【女剣士プルシャ】 楠本恵士 @67853-_-
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