第211話 誓いの時 ★カミル SIDE
教会の扉がゆっくりと開いた。扉の前に立っているのは
そんなリオと師匠がゆっくりと1歩を踏み出した瞬間に、ポン!ポンッ!っと精霊達が招待客の頭上に現れた。それも数匹なんて数じゃ無い。リオ達がゆっくり進んで僕の前に来るまでには100匹を超える精霊が頭上を飛び回り、リオに「おめでとう!」と声を掛けては頬にキスをしたり、頭上をグルグル回って見せたりしていた。
こんな事がこれまでにもあったのだろうかと、アンタレス帝国の皇帝をチラリと横目で確認したが、どうやら皇帝も
一旦は精霊達に、驚きと共に視線を
女神像の前で待つ僕の所まで、師匠のエスコートで進んできたリオは、師匠に小さく微笑んでから僕の手を取った。ベール越しではあるけどリオと視線を合わせて小さく微笑む。何となく周りがざわざわしているけれど、僕とリオは気にならないぐらい、2人の世界に入り込んでいた。
そこへコツコツと、真新しい靴の足音が聞こえる。リングボーイを務めてくれるルトが、指輪を乗せたリングピローを両手に抱え、
ルトを
ルトが僕達の前に到着し、指輪をお互いに緊張しながらもつけ合った。前にもプレゼントされた時につけて貰ったりしてたから、指輪の交換はすんなりとはめる事が出来んじゃないかな。本来デュルギス王国では、魔力を込めて相手の
指輪の交換が終わった所でルトが下がったね。この後は誓いのキスをする事になっているのだが、リオも緊張しているのがベール越しにも分かる。ここは僕がしっかりしないとね。ベールを後ろに流し、リオと視線を合わせて大丈夫だよと気持ちを込めて微笑んで見せた。リオも肩の力が抜けた様で、柔らかな微笑みを返してくれる。
顔を少しだけ上に向けて目を閉じたリオはやっぱり美しい。
あ!あそこに見えるのは女神様と……精霊王かな?女神様はハッキリと見えるけど、精霊王は
さぁ、後は僕達が退出すれば結婚式は無事に終了という事になる。僕はリオに「退出するけど大丈夫?」と小さく声を掛けた。リオは「ええ」と小さく返事をくれたので、スッとしゃがんでリオをお姫様抱っこして出口へと歩き出した。リオは小さな声で「ちょっと、カミル!」と一旦は抵抗したけれど、僕が降ろさないと理解したのか直ぐに諦めて、周りで「おめでとう!」と声を掛けてくれる招待客逹に笑顔で手を振り返している。この素敵な女性が僕の妃になるのだと、皆に自慢して回りたいぐらいだよ。
今日の結婚式が、リオとの良い思い出として記憶に残ってくれたら嬉しいな。僕とリオはこれから普通の人よりも長い年月を生きるらしいからね。その分たくさんの思い出を作って、国のために働いて、たまにケンカして……お
異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜 神木 空 @ayu0218
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