第210話 新たな門出 ★リオ SIDE
扉をノックし、目の前に現れたカミルは当たり前なのだけど王子様だわ。それも、女性の
あらら、カミルも固まってるわね。お互いに真っ赤な顔でチラチラと様子を
「リオ、とても
カミルは
「リオ、必ず幸せにすると誓うよ。これから生まれて来るであろう子供達も、リオの大事な家族も、僕が必ず守ってみせるからね。安心してお嫁に来て欲しい」
いつもより輝いているカミルに、
「カミル、愛してるわ。私は世界一、幸せな新婦ね。
後半声は小さくなってしまったけど、しっかり聞こえたらしいカミルは、満面の笑みで私のこめかみにキスを落とした。侍女達が頑張ってくれたお化粧が落ちない様に気を遣ってくれたのでしょうね。
「こんなに綺麗なリオを皆んなに
「カミル……ええ、そうね。カミルと一緒なら毎日が楽しいでしょうから、必ず幸せになれると信じているわ」
いつもと違うからか、お互いにチラチラと視線を合わせては照れちゃうけれど、今では必ず幸せになれると疑いもしないものね。出会った頃が
「師匠、今後ともよろしくお願いします」
丁寧に頭を下げるカミルに少し遅れて頭を下げると、爺やは照れ臭そうに手を振った。
「カミルも家族になるんじゃから、そんな
「「!、はいっ!」」
私達は顔を見合わせた後、笑顔で大きく頷いた。王太子妃になる事が、私にとってプレッシャーになっている事を理解してくれているのね。この世界で温かく見守ってくれる家族がいる事を、とてもありがたく思うわ。
「じゃあ、後でね、リオ」
「ええ、後でね、カミル」
視線を
「ホッホッホ。
爺やが気を遣って、話しを変えてくれたわね。ありがたく話しをそらさせてもらいましょうか。
「確か、新婦の半歩前を歩くイメージを持って歩くと踏みにくいんじゃなかったかしら?」
「なるほど、確かに踏みにくそうじゃな。まぁ、焦らずゆっくり進もうな。カミルなら1日でも待っているじゃろうから、慌てる必要は無いからのぉ?ホッホッホ」
「ふふっ、そうね。ゆっくり歩きましょ。……爺や、私の家族になってくれてありがとう。これからもよろしくお願いします」
「…………おう」
あら?爺やもたまには照れるのね。言った通りに私の少し前を歩いているから、耳の後ろが少し赤くなってるのしか見えないわ。ふふっ。私、今とっても幸せだわ。
⭐︎⭐︎⭐︎
「カミル殿下も到着なさいましたので、いつでも入場できます。準備ができましたら、お声がけください」
教会の前に到着した私達に、シスターらしき人が声を掛けてくれた。あら、もうすぐにでも始められるみたいね?爺やに視線を向けると、コクリと頷いた。
「もう準備はできておるよ。そちらのタイミングで大丈夫じゃから、よろしく頼む」
「は、はい。かしこまりました」
あ、そうだったわ。爺やって賢者なのよね。いつも隠密魔法で姿が見えていないのだし、一般の人からしたら爺やの姿を見つけただけでもレアなのかしら?私も賢者だから、爺やの姿がいつも見えているせいなのか、身近にいるからなのか、爺やが賢者である事を忘れてる時があるのよね。私にとって爺やは賢者である前に、大事な家族だもの。例え賢者では無かったとしても、爺やの事は人として尊敬しているし、今と変わらず大好きになると思うわ。
「それでは、扉を開きます。扉が完全に開きましたら、一礼してからお進みください」
私と爺やはシスターに
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