不審者の靨

生き物には死がつきものである。
友達も、家族も、当然私も、生まれた時から絶対条件として’’死ぬ’’という制約を持ちながら日々呼吸して生きている。
この春大学生になった靨は、いつも課題に追われてばかりの限界学生生活を送っている。そんな中、遅い時間まで続いたサークル活動が終了し、夜道の帰路を歩く靨が見たのは、公園の滑り台の舌でトマトジュースを飲みながら’’拾ってください’’と書かれた段ボールに入っている不審者。拾ってほしい者とは思えない普通なら絶対に話しかけない方がよいと考えるのが無難だが、好奇心でつい拾ってしまった靨は…？


　不審者を拾うシュールな展開がきっかけで事あるごとに巻き込まれ振り回される不幸体質な大学生と、天然なのに腹黒な不審者によるちょっとアブノーマルなバイトへ、いざ出勤。