自分の意識を映す鏡

マッチングアプリで知り合った聖也と主人公の僕が交わり愛情を持ち始める話。

この作品はすごく優れている。中盤で知る情報によって私は読み方、感じ方が全く変わってしまった。大学時代に関係する講義を受講していたし意識していたつもりだったけど、そこで捉え方がガラッと変わってしまった自分の中に差別意識を発見しました。

この衝撃的な発見を支えているのは全編に渡ってちゃんとムラムラさせられる表現で前半は淫秘な雰囲気に取り込まれるし、後半は見方が変わって二人の性行為がうまくいくように願ってしまう。「研ぎ澄まされたエッチな表現」が読者の心を開いてしまってより深い場所に作品のテーマを埋め込んでしまう。

作家としてのスキルセットが伝えたいテーマに対してこんなにも合理的でクリエイティブに発揮できるものなのだと驚きました。色んな人に読んでほしい。おすすめです。