第2話

その後、警察の事情聴取が行われ、ゴールデンレコードの関与が明らかになっていった。スマートスピーカーの録音データが決定的な証拠となり、ゴールデンレコードの幹部が逮捕された。


田中のスタジオは一時的な混乱に見舞われたものの、美咲とミカの協力もあり、なんとか通常営業に戻ることができた。ミカのデビュー曲は、急遽、別の曲に差し替えられることになった。


事件から数日後、美咲は田中から呼び出しを受けた。スタジオに向かうと、そこにはミカの姿もあった。


田中は笑顔で言った。「二人とも、本当にありがとう。おかげで危機を乗り越えられた。」


ミカも深々と頭を下げた。「私の軽率な行動が原因で、皆さんにご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありません。」


美咲は優しく微笑んだ。「でも、結果的には真実が明らかになってよかったと思います。ミカさんも、これからは自分の音楽に誇りを持って歌っていけますよ。」


ミカは涙ぐみながら頷いた。


田中は二人を見つめ、真剣な口調で話し始めた。「実は、君たちに提案があるんだ。」


美咲とミカは顔を見合わせた。


「美咲、君は優れた洞察力と行動力を持っている。そして、ミカ、君は素晴らしい歌声の持ち主だ。二人の力を合わせれば、きっと素晴らしいものが生み出せると思うんだ。」


田中は一旦言葉を切り、続けた。「だから、君たちに新しいユニットを組んでもらいたい。私がプロデュースする。どうだろう?」


美咲とミカは驚きの表情で固まった。突然の提案に、二人とも言葉を失っていた。


しかし、徐々に驚きが興奮に変わっていく。二人は顔を見合わせ、笑顔になった。


「やりましょう!」美咲が力強く言った。

「はい!私、頑張ります!」ミカも熱い決意を示した。


こうして、新しいアイドルユニット「トゥインクルスターズ」が誕生した。


美咲とミカは、お互いの長所を生かしながら、ステージの上で輝き続けた。時には意見が対立することもあったが、その度に乗り越えていった。


二人の織りなすハーモニーは、多くの人々の心を感動で満たした。トゥインクルスターズの名は、瞬く間に全国区となった。


そして、ある日のライブ。会場は超満員、サイリウムの光が会場を彩っていた。


ライブの最後、美咲とミカは手を取り合い、観客に語りかけた。


「私たちがここまで来られたのは、皆さんの応援のおかげです。本当にありがとうございます!」


「これからも、二人で力を合わせて、もっともっと素敵な音楽をお届けしていきます!」


割れんばかりの歓声が会場を包んだ。美咲とミカは、笑顔で手を振り続けた。


ステージの袖で、田中は満足そうに二人を見守っていた。彼の新しいプロジェクトは、大成功を収めたのだった。


美咲は心の中で思った。「あの事件があったから、私たちは出会えたんだ。音楽の力って、本当にすごい。」


そして、これは新しい伝説の始まりに過ぎなかった。美咲とミカの音楽は、これからも多くの人々の心に響き続けていくのだから。


おしまい​​​​​​​​​​​​​​​​

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