突き放しながら

「今さらですけど、乙子さんを見つける必要ってありますか?」

「どうした急に。」


2人きりの事務所で呟いた私の独り言に、探偵さんは笑いました。


「恵子ちゃんはしっかりものでメンタルも強いですし。民子ちゃんも以前の元気を取り戻してきているみたいですし。和枝ちゃんについてはよく分からないですけど。でも、わざわざ私たちがこの問題を掘り起こさなくたって、恵子ちゃんたちの生活は探偵さんが保障していますし。」

「まあ、君がそれでいいなら。」

「なんですかその言い方。」


私はその時、甲野一家についての調査資料を眺めていました。甲野和枝ちゃんは三姉妹の末っ子です。私はまだ和枝ちゃんと話をしたことがないので、一体どんな子なのかはぜんぜん知らないですけど。


「君の言うとおり、事件は既に片付いている。」


というわけで、このお話はこれにて完結です。

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2024年9月30日 14:30

環は刃を当てれば切れるんだ。 藤井由加 @fujiiyukadayo

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