天の涙に願いを託して、未来へ駆ける冒険譚。久しぶりに出会った感動物語。

この作品には、雨への想いが相反する主人公【L】と【K】という不思議な名前のキャラクターが登場します。ふたりは臓器提供者の施設から脱出し、願いが叶う秘境【天泣の丘】を目指す冒険が描かれています。深く重いテーマを扱いながらも、物語はドキドキする展開で一気に読ませてくれました。

未来に向かって駆ける子供たちの強い思いと希望が感じられます。文中に描かれる雨や八色の虹などの美しい描写が物語を彩り、アカショウビンという神秘的な鳥との出会いが特に印象的です。

エンディングに向けて、臓器提供者として育てられた少年少女たちの命に対する危機と希望が描かれ、私の心に深く響きました。迫りくる危機がカウントダウンの如く高鳴り、「頑張って生き残れ!」とエールを送りました。

最初から最後まで貫く、儚くも美しい感動的な物語をありがとうございました。

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