第240話
とある王座に座る人影。
そんな席に座っているにも関わらず、今その部屋に入ってきた小さな影に気づくとすぐに立ち上がりその影の前に跪いた。
「お帰りなさいませ」
「調子はどうだ?」
「まだ、創魔様の復活を信じていない者がいるようでして・・・・・・」
「そうか。こちらは少し仕掛けをしておいた」
「こちらも取り急ぎ・・・・・・」
「そう、急がなくて良い。人間に悟られたとしても先手を打たれることはない」
「承知しました」
◆
旧帝国領、とある町外れの村。
その村に怪しげな男が訪れた。
村人全員が外傷無しで死ぬという事件が起きた噂は広がっているのだが、その男をいぶかしげに見る視線は一切なかった。
彼がこの村に訪れた時点でそこの村人たちは事切れていたのだった。
そして、その男が何かを言うことも考えることもせずその村を去るのだった。
◆
そうして時は流れ、カイ達は進級し2年生となった。
修学旅行は2学期。しかし、その準備は1学期から始まる。
「・・・・・・ということで、修学旅行は1班6、7人で組んでください」
僕とマイ、レクスは別の場所に行くんだけどな~とかそんなことを思いながら聞いていると。
「僕らは6人やからぴったりやな」
リーセスがコソコソと僕たちに聞こえるように言ってくる。
「悪いが3人は別行動してくれ」
レクスがそう言うが、
「やっぱりそうか。旧帝国領に行くんやろ?僕もついてくで」
「なんでそれを?」
そこで授業の終わりを告げるチャイムが流れる。
ちなみにこれには数秒のずれがあったり、時には数分ずれたりもする。
それはそれが人によって鳴らされているためだ。
音魔法によりチャイムがなるのだが・・・・・・・・・
と、思考が違うところにいっていたが授業の時間も終わったためコソコソ話す必要がなくなり、
「それで、何故それを知っている?」
レクスが改めて聞く。
「とりあえず場所を変えよか」
◆
「旧帝国で起こってる事件を調べに行くんやろ?」
「・・・・・・」
首肯するレクス。
「それを何で知ったかやけど、僕の元にリゼイルさん達が来たんや。
ただ、様子を見に来たと言い張ってたけど怪しくてな、聞きに行ったんや」
「・・・・・・なるほど、ギルドか」
そこでレクスは納得したようだ。
旧帝国領の事件はそこまで噂になっていない。
そのことを知っていたレクスの情報源を確認しておきたかったのだろう。
「しかし、一緒に行くのはな・・・・・・」
「僕らでは力不足、か?」
「そんなことはないが・・・・・・・・・」
「なんや?僕のこと気にしてんのか?僕はもう、大丈夫や」
リーセスが言うのは操られ始める時にその町の人が全員死んでしまったことだろう。
「そうか・・・・・・おまえ達は良いのか?」
「もちろん」
「私も行きます」
こうして、6人で行くことになったのだった。
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「元」面倒くさがりの異世界無双 空里 @riku4
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