第15話

帰宅して両親に今日の朝、片桐さんと話した内容を伝えると両親は快く了承してくれた。

父さんも母さんもお葬式の日に片桐さんのことは見かけていたため、話は早く理解してくれた。



話を終えて部屋に戻り片桐さんに両親からの了承を得られたことを某SNSで報告した。

すると数分後に片桐さんから返信が帰ってきて


ありがとう!!当日はよろしくお願いします。


とのメッセージと可愛い絵文字が着いた返信が届いた。

その絵文字が可愛いく少しニヤついていると携帯が鳴り響いた。

画面を見てみると最近ではもう見慣れた番号からだった。



『はいよ、どうした星奈?』



『董哉、私の法事七海ちゃんと一緒にきてくれるって本当!?』



星奈は少し嬉しそうな声色をしながら聞いてきた。



『一緒に行くけど...なんで嬉しそうなんだよ...』



『そりゃあ嬉しいよ!私の法事にさ私の大切な人が一緒にきてくれるなんて!それに董哉と七海ちゃんが仲良くなってるもの嬉しいの!』



まぁ星奈が生きてた頃はそこまで片桐さんと交流なかったから、それが見ることができて嬉しいのか。

もし星奈が生きてた頃に片桐さんと今みたいに交流できていたら、もっと星奈は喜んでいたのかな。

ふとそんなことを思ってしまった。



『まぁ星奈のお願いのおかげだな片桐さんと仲良くなれたのは。』




『ふふーん。私に感謝したまえ。でも董哉は偉い!七海ちゃんを1人にしなかった!』




『流石に1人であの寺まで行くのは心細いと俺も思うし、それが親友の法事なんだからその思いも強くなるだろ。』



俺だって1人で星奈の法事に行くのは心細くなるし、途中で色々考えこんでしまう。



『心細い女の子を1人にさせないのはできる男だよ!さすが董哉!私が見込んだだけはあるね!』



いつどこで星奈に見込まれていたのかは謎だが、褒められたことは素直に嬉しい。



『まぁちゃんと片桐さんと一緒にお前の法事に向かうよ。』



星奈の法事に亡くなった本人に向かうというのはおかしいが、今実際電話で星奈と話していられてるからちゃんと伝えることができる。



『七海ちゃんのことは任せたよ!』




『分かってるよ。ちゃんと送り迎えするからさ。』



片桐さんと約束したし、星奈からも任せたと言われたらちゃんとしないとな。



『あとさ、私の法事の時さ輝介のことちょっとみていて欲しいんだよね。』 



輝介とは何年も一緒に遊んでたし、小さい頃から知っているから、ある程度性格とかは把握しているが星奈がこういうのだから何かあったのだろう。



『輝介のことを?それはいいけど、輝介に何かあったのか?』




『事情はさ私からはあんま言えないかな...

董哉が輝介から直接聞いてみてよ、輝介とは仲良いでしょ。』



まぁ片桐さんの時とは違って輝介とは仲良いからな。法事の時に様子をみてみて何かおかしいところがあったら少し聞いてみるか。



『事情は少し様子を見てから聞いてみるよ。とりあえず輝介のこと見ておくよ。』



『お願いね。頼れるのは董哉しかいないからさ、七海ちゃんの時もそうだけど任せちゃって大変じゃない?』



『全然大変だとは思ってないぞ。それにお前の最後のお願いだからな、叶えると決めたからにはちゃんとやりきるから平気だ。』



星奈に頼られるのは嬉しいし、お願いを叶えれるのは俺しかいないのだ。

最後まで叶えて星奈悔いを残さないようにしなければ。



『そう言うってもらえるとすごく嬉しいよ、ありがとうね董哉。なら当日からはお願いしちゃってもいいかな?』



『俺に任せておけ、最後のお願いは絶対叶えてやるからさ!』



『うん!じゃあよろしくね!じゃあ明日も学校でしょ董哉、そろそろ電話きるね。』



『分かった。また何かあったら電話かけてくれよな、すぐに出るからじゃあおやすみ。』




『はーい、おやすみ。』



そういうと電話は切れた。

電話が切れたあと携帯を確認すると、先程届いた片桐さんのメッセージに返信をして、法事当日のことを考えながら眠りについた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

亡くなった彼女から連絡がきたのだが.... 金色折紙 @kinkon466sikisi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ