第14話
俺はいつも通り学校への道のりを歩いていた。
2月に入りより寒い日々が続いている。
冷たい風が吹いておりいつも以上に寒い日だった。
「うぅ....今日は特段寒い日だな」
そう独り言を呟きながら急いで学校に向かった。
学校へ着くとすでに到着していた誰かが暖房をつけており、暖かい天国が完成していた。
「なんて暖かさだ.....早くきて暖房をつけてくれた人はとても優しい人だ、心から感謝しなければ」
暖かくなっていた教室に感動して暖房をつけてくれていた誰かに感謝の言葉を出していた。
「ふふふ...なら私に感謝の言葉を伝えたまえ高嶺くん」
そう俺の言葉にこの暖房をくれていた心優しい人が反応をした。
振り返ると反応して人は片桐さんだった。
「まさか...片桐さんがこの教室の暖房をつけてくれた天才か?」
「そうだぜ高嶺くん。私は今日日直だったからたまたま早く学校にきていたのだ。そしてこの教室の寒さを一番に味わって皆のために暖房をつけておいたのだ!」
「さすが片桐さん、なんて優しさだ....この優しさのおかげで俺は今この暖かいという幸せを噛み締めている。ありがとう片桐神よ....」
「それは流石に言いすぎだよー、でも喜んでくれたなら何よりだ!」
あの凍えるような寒さからこの暖かい教室に入ってきた時の感動はこれだけでは抑えられない。言い過ぎというわけではなく心からの本心なのだ。
「急に話変わるんだけどさ、星奈ちゃんのお母さんから49日のご連絡が来たんだけど高嶺くんも連絡きた?」
「うん....俺のところにもきたよ星奈の49日の連絡。」
少し空気が重くなってしまった...
仕方ないだってまだあの日から一ヶ月と少ししか経っていないのだから。
「それでさ49日の日なんだけどさお寺まで一緒にいけないかな?私1人だと心細くて....」
片桐さんは確かお葬式の日も1人で来ていたからな。今回も1人で行くとしたらそれはとても心細いだろう
「俺でよければ一緒に行かせてもらうよ。」
「ほんと!?それはよかった!」
片桐さんは少し喜びながら返答してくれた。
「じゃあ俺の親に伝えとくわ。当日は車で迎えに行くからさ。」
「え!?高嶺君くんご両親と一緒に行く予定だったの?なら別に大丈夫だよ。」
「全然大丈夫だよ。両親にはちゃんと説明するし、電車とバスで向かうの大変だろ?気にしないでよ。」
星奈の法事を行うお寺は隣の市にあり、電車とバスを使わないといけないくらい離れている場所にあるのだ。
「えぇぇ!すごい申し訳ないよ、なら私1人で行くから大丈夫だよ!」
「気にしないでくれ、お寺まで遠いし大変だろ?うちの親もそういうの気にしないし、遠慮とかしないで大丈夫だよ。」
「本当に大丈夫なの?ご家族の邪魔にならないかな?」
「大丈夫、大丈夫うちの親そういうの気にしないからさ、それに片桐さんが1人で行く方が心配だしね。」
「そこまで言われたらお言葉に甘えさせていただこうかな。」
「よかった!なら当日は迎えに行くからさ家の近く場所に着いたら連絡するよ。」
「そこまでしてくれなくていいよ!?私が高嶺君の家のまで向かうからさ。」
「制服で俺の家の近くまでくるの大変だろ?それにさ俺が親に言われちゃうからさ俺の為だと思ってさ。」
うちの親はこういうことは昔から口うるさく言ってきたので、こちらから迎えに行かないと色々言われてしまう可能性がある。
「うーん、そこまで言われたら仕方ない。全部甘えさせてもらいます!」
「色々時間とか決まったら連絡するからさ、片桐さんはなんの心配もしなくていいからね。」
「うーん本当に頭が上がりません。いつかちゃんとお礼するからね!」
「いやこれは俺からのお礼だから。今日この教室を暖かくしてくれていたという最大の恩があったからさ。」
「あはは!そんな大きいことじゃないよそれは
ちゃんとお礼するから待っててね高嶺くん!」
ここは受け入れた方が片桐さんのためにもなるだろう。大丈夫といっても優しい片桐さんは気にしてお礼をくれると思うから。
「わかった。楽しみに待ってるよ片桐さんからのお礼。」
「楽しみにしとけよーきっと嬉しがるようなお礼をしてやる!じゃあまだ私日直の仕事残ってるからまた後でね!」
そういうと片桐さんは残りの仕事を終わらせるために職員室に向かった。
さっき片桐さんに言われた俺が嬉しがるようなお礼のことを考えながら、朝のホームルームが始まるまでの時間が過ぎるのを待っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます