ドラゴン

ついにドラゴンが王都へと現れた。




・・・首だけとなって。




ええええええ!!!!!!!!!



呼び出された戦勝記念式典その一、えーと・・・お向かえ会でいいだろ!の席上から前世の自動車並みにデカく恐ろしい3つの生首を見下ろしている。



なんでも勝手に相手国からの侵略を妄想して出撃した我が国の軍団に当然のごとく隣国は反応。

各地方閥より大軍を招集、徴兵組織編制し国境を固めた。


そして国境いで罵声を浴びせあってた両国軍の頭上に突如こやつらが現れたらしい。


罵り合戦後の為に待機してた魔法ブッパ部隊のヒステリー総攻撃を受け巨大なドラゴン3匹は(3匹もいたのか・・・)秒で撃ち落とされ、いま持参してる二人の姉以上の陵虐を受け首を切り落とされたということだ。


え?なんで二人を持参してきたのか、て?


だってなんかこの戦勝を機に両国の友誼を深めるために婚姻を早めましょうとかいう話になったんだって・・・ヤバイよ!



2つの白木の正方形な箱に目をやる。



・・・なんとなくカサカサ音が聞こえるし、大丈夫。まだちゃんと生きてる。



式はつつがなく進行し、ついに2つの隣国の2人の王子と娶わせるお持ち帰りシーケンスへと進んでしまった・・・


「フィシーよ、ツァリベルとルァリベルをこれへ」


「はい」


王が地味な巫女衣装のあちきの名を呼ぶ違和感に怪訝な視線を向けてくる二人の前へ、侍従達が2つの白木の箱を置いてゆく。


「・・・どうぞ、お収めください」


引き出物みたいなモンに感じたのか、場の雰囲気はあくまでも明るい。


そう、その場しのぎの時間稼ぎの為に二人の姉のドレスパじゃなくてドレスアップなど花嫁演出は全部任せてくれつっちゃってんのよああああああああ!!!!!!!


2つの箱の蓋が取り払われ、中身が明らかになる。


清々しい木の削りカスの香がふんわりと立ち上った。

2人の王子とその他もろもろの視線が箱の中身へと注がれる。



白いおが屑の上、ズタズタにされた二人の姉がひっくり返ったカメムシのよう開いた両足をひくひくと痙攣させていた。




会場めたくそ静まり返ってしまった。


なるべくエロかわいく見えるように、白く儚いエロ下着デコレーションて感じにリボンとレースで頑張ったんだが・・・




高い金の音と共に、王笏があちきの視界へ転がり落ちてきた。


「フィシー、ここへなおれ」


げー伯父さん王様はお父さんの兄めたくそ怒ってるよ!


まー国を挙げた祝いの席で王室より掃き捨てた国の汚点の王女がかなり嫌な形で国のメンツを潰してしまった・・・つーか娘上げるから仲良くしようねwつわれて廃人渡されたらもうマジ挑発的宣戦布告としか思えんよなごめんなさい・・・これでも必死にエロ可愛くみせようと穴あきぱんつのビキニライン角度めたくそ悩んだりしてたのよ・・・


まぁお手打ちは仕方ないよね。


あちきに罪の意識なんてカケラもないけど、二人の姉のような様になるのは御免こうむりたいし・・・楽に死ねる機会を逃す手はないと、震える脚を前に進め、王の前に両膝をつく。



・・・やっぱ斬られるのって痛いよね・・・あちきなんも悪いことしてないのに何故?!ヒドすぎる!!!!!!!



「陛下に最大の感謝を!」


「デルベン太守、フンバルト第二王子ダップンシュタイナーも同じく、最大の感謝を!」


「ハーゲン総督、ピカール三位親王バルフィンド。名乗り遅れ平にご容赦を」


背後から若く張りのある美声が三連で轟く。間をつなぐように立った金臭い音は敬礼とかそんなんかな?


僅かの間ののち、抜かれた太刀が納刀された雰囲気が伝わってきた。


「フィシー、続けよ」


「は」


砕けそうになる脚でなんとか立ち上がり、二人の王子を向く。


「拙速とは思いましたが、お二方と姉達のために部屋を用意させております」


「これは忝い!」


「ご厚意、早速頂戴仕る」


二人とも若く美しい青年だが、目は血走り、口元を肉食獣のように引きつり上げている・・・めたくそ猛りまくってるじゃん!どうしたの?!?!


それぞれの部屋へ股間を獰猛に怒張させた王子ズと箱()を案内し、主賓の消えた間へは戻らず城から出る。





えー・・・なんなんあの二人のガッつきぶり。。。侍従にしたヒゲ男どももあんな感じだったし、この世界の男てあんなんばっかなん?


あちき、とてもこの国でやっていけんわ・・・


それに前世を知ってしまった今となっては、なんかこう冒険者ギルドとか行ってみたいじゃんね。



あー!はやく次の滅亡の占い入らないかなああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!






(完)

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占いの巫女姫に転生してしまったおじさんの物語 プリオケ爺 @hanagehanage

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