入梅の読者

桜藤エキナセア

入梅の読者

一気読みできたこの本捨てぬ梅雨


自室だがさながら書店棚の圧


次の本探し目移りこもごもに


マンデリン味わい読むは午後の友


走り出す記憶に刻めファンタジー


物語壮大苛烈握る汗


気がつけばおやつの時刻息を


コーヒーにもやちち我が気持ち


く心小説開き落ち着かす


戻れないこの結末を見ぬ自分


読了し考察サーチ傾倒す


また一つ書棚に色が増えた夜


扇風機夜の帳に首を振る


窓辺なら風鈴揺らせ青嵐


見つめてたベガを横断流れ星


ふみ恋し彼女は寝たかLINE出す


声を乞うふみが届きて架電せり


起きてたと恋人の声気が上がる


織姫と待ち合わせせり来月の


性急かすでに越えたし天の川

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入梅の読者 桜藤エキナセア @ohdoh_echinacea

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