第2話

自分の身に起きている事が理解できないので、悲しむべきなのか怒るべきなのか、考えてもわけがわからないまま音楽を聞いていたら時間がどれほど過ぎているのか止まっているのか感覚がおかしくなっていた。ふと、人の気配をちらっと目線を動かしてみた。その瞬間一瞬だけ時空間が止まったような感覚に落ちた。この世のものとは思えないぐらい美しい顔の人間が耳にヘッドフォンを付けて音楽を聞きながら立っていた。心臓の鼓動が高鳴り血流が全身に流れる事がわかった。私の視線を感じたのか、ゆっくり目線を動かして私の目を短く見つめて微笑んでいる。心が複雑になり、音楽に集中できないしどうすればいいのか分からなくなり、そのまま店の外へ出ていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Woman with gun part2 @yonfunfan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る