第48話 さらばゲルマド帝国
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第48話 さらばゲルマド帝国
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伯爵一行は無事にエルディーヒに到着した。今回はバンパイアの襲撃はなかった。バンパイアがきてくれたら、またひと儲けできたのにと残念に思う。
今回はバーミリオン様がちゃんと護衛部隊を率いていた。
長いこと放浪していたのだから、これからしっかり働いて新人たちを鍛えてやることだ。
尾行は結局エルディーヒまでついてきた。本当に何がしたいんだか。
伯爵家の前で依頼書にサインをもらい、俺は冒険者ギルドへ向かった。
尾行はまだある。ウザいが、町中だから放置している。
巨乳受付嬢の前に並ぶ!
俺にとって巨乳は見るだけで栄養になるんだ。
「あ、ゼイルハルトさん。お帰りなさい」
何だと!? 巨乳受付嬢が俺の名前を憶えていてくれた! 俺は今、猛烈に感動している!
「ただいま」
俺はニコニコ笑顔で答えた。
「ゼイルハルトさんをギルドマスターがお呼びです。ご案内します」
ダメマスが? 嫌な予感しかしないぞ。
拒否する! と巨乳受付嬢に言っても可哀想なので、ついていくけど。
巨乳受付嬢がダメマスの部屋の扉をノックすると、偉そうに「入れ」と返事があった。巨乳受付嬢を顎で使うとか、何様だこの野郎。
「ゼイルハルト、待っていたぞ」
「なんの用ですかね?」
「お前のおかげで大金が手に入った。礼を言いたくてな」
意外と礼儀正しいじゃないか。
「それはオークションのことですかね?」
「そうだ、オークデスピアだ。お前のおかげで、職員たちに臨時のボーナスが出せる。感謝しているぜ」
こいつ、金で職員を買収しやがったな!
それであんたのダメっぷりがチャラになると思うなよ。
「お前はこれからどうするんだ?」
「旅に出ます。元々旅している途中でこのエルディーヒに寄っただけですから」
「そうか。お前がいないと、寂しくなるな」
しんみりしたところで、ダメマスがお茶を口にした。
「また帰ってこいよ。お前がいないと、俺が儲からんからな」
ついに本音がでた!
あんたはそっちのほうがしっくりくる。いい奴ぶっても似合わないぜ。
ギルドを出てエルディーヒの門を出ていく。もう夕方だが、俺にとってそんなものは関係ない。
それよりも俺のあとをつけ回すヤツの処理をするか。
森の中に入っていき、奥へと進む。
ヤツらもついてくるが、そこで俺は気配を消す。
ヤツらは慌てて俺の気配を探している。
追跡者は帝都を出た直後に五人になっている。
木の枝の上からヤツらの動きを見るが、追跡に慣れている者の動きだ。
国の暗部か? 皇帝か宰相が俺を殺そうとでもしているのかな。
―――スリープ
五人がその場で寝入った。
拷問して背後関係を探ってもいいが、面倒だ。
どうせしばらくこの国を離れるのだから、放置でいいだろう。
もっとも、こんなところで寝ているとモンスターに食われるかもしれないけどな。
「運がよければ、また会おう」
枝から飛び降り、五人に別れを告げる。
こうして俺はゲルマド帝国から離れるのだった。
――― 完 ―――
完結までお付き合いいただき、ありがとうございました!
明日から下記作品を投降します。
読んでみたください。
『トーマ ~騎士爵家の養子になった転生者~』
最強魔法使いは自由気ままに旅したい なんじゃもんじゃ/大野半兵衛 @nanjamonja
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