イエロー ［第2回短歌・俳句コンテスト【短歌】二十首連作部門］

イエロー 第２回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌の部 / 二十首連作】

はじまりがあると思うの？

　ぼくたちはおわりなき円をいつもぐるぐる

まちがった答えばかりのいちにちを

　引き裂くことすらまちがいだから

「ひとりでは寂しい」ってでもさ

　ふたりでも、さんにんいたって寂しいよ

うたなんて盗作ばかりだ

　きみにとどけたいことば書き写すだけ

我儘をやめられないんだ

いつまでもおとなになれずにさみしがってる

ときどきは憂鬱さでもきみがいる　

　それだけで夜、眠れたりする

大丈夫って云える　

わたしやきみならば何にも恐れずわらえるよ

砕けても蹴られてもいいよ　

　煌めきは、煌めきはいつも眼の下にある

わたしたち失敗ばかりの日々のなか

　繋いだ手だけが光だね

力強いきみはいつでもあすを見て

　きらめいた朝をおきざりにする

もう二度と逢えないきみをおもうたび

　来世なんかに期待している

大切にしようとおもうんだ

　きみがいなくても僕を守るものたち

ながいゆめ見終えて朝が憎くても

　きみのことばはいつまでもここに

「心配はいらないうまくいってる」

　とわたしの未来につたえてよ

あしたにはまた会おうよ、そうしたら、

　あさってのぼくらのはなしをしよう

これからをふたりぼっちで生きるなら

　明日のおひるはパンケーキにしよう

やさしさの溢れるへやで暮らしたい。

　きみの寝顔もまいにち見たいよ

約束に凭れていたいの嘘だとか

　ほんとうだとかはどうでもよくて

ひねもす　わたしはきみを想ってて

　どうしようもなくしあわせなんだ

イエローはいつも味方さ　

　臆病なわたしを照らす昼の光も