第2話 テケテケ

 トイレの花子さんを面白半分でからかったせいで、霊感体質になった私。

 そんな私だけど普通に学校に通っている。


 部活はしていない、だって……ね?


 その辺にいるんだもん。浮遊霊とか地縛霊とか。


 まだその辺の霊なららいいよ。でも、たまにいるんだ。ものすごく悪い霊が。


 私はそのものすごく悪い霊がいそうな場所、危ないと感じた場所には行かないようにしている。

 花子さんの件もあったしね。


 でも、霊やあやかしは私たちの想像の範疇を軽く超えてくる。

 気にしなきゃ問題ない、とかならいいけど想像してみてくれる?


 毎晩耳元でお前が嫌い、だとか早くこっちにこい、って言われるんだよ?

 うっとうしいから払うよね? 普通に。


 私は霊感体質になった時に、ある程度の霊なら払えるようになった。

 とりあえず低級っぽいのはその辺をプラプラしてるだけだから問題ない。


 問題なのは人に危害を加える霊。


 私のくだらない興味本位なことで友人Aが花子さんに乗り移られてから私は、人間に危害を加える霊を払うことにしている。


 特に私が住んでる町、Z町の現在は有名な霊能者も絶対にこない、いわくつきの土地。


 ここ数年で何人も高名、有名な霊能力者がこのZ町で不審死を遂げている。

 それもそのはず、全国で聞いた怪談、怪異がこの町では起こるのだ。


 動画の配信者は面白がってZ町に来て動画を撮影してるけど、ほとんどその後に活動をしていない。

 多分、死んでる、と思う。


 でも私はこの町から出ない。A子のような犠牲者を出さないために。


「亜美菜! 早く駅前に新しくできたカフェに行こうよ」


 B子は早く新しくできたカフェに行きたいのか、ずっとそわそわそわそわと落ち着きがない。


「だから待ってって。お守りにおまじないをかけてからじゃないと……」


「もう! そんな事してたらタピオカ抹茶コーヒーが売り切れちゃうよ!」


 まぁ普通はそうだよね。このおまじないの意味が分かる人なんていないんだから。


 テケテケ……タスケテ……


 男か女か分からない声が聞こえてきた。間違いない。


 これは霊現象だ。


 カンカンカンカン


 急に踏切の音が聞こえてくる。ああ、これはやばい、そう思った私はB子に離れてといった。



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ホラー短編 帝樹 @taikihan

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