第29話 さようなら
そうして、法的効力は全くない誓約書を書かせて、俺たちの戦いは終わった。
改めて役所で手続きなどを全て済ませて、戸籍なども全て分けたことにより、いよいよ形だけの家族ということになった。
また、DVを行っていた事実やそういう証言を含めて全て納めたので、もし何かしでかそうものなら全てを晒すと宣言をした。
もう、彼らが近づいてくることはないだろう。
◇5年後
「ただいまー」
「おかえり!」といった玲といつも通りキスをする。
「ご飯にする?お風呂にする?それとも...私?」
「ごめん、先に凛ちゃんにしようかな?」と、俺はそのままある一室の扉を開く。
そこにはすやすやと眠る我が子がいた。
そうして、ちゅっとしてから「ただいま」と言った。
すると、嫉妬したのか後ろから抱きついてくる玲。
「どうした?」
「どうしたじゃないよ。私にもちゃんとかまってよ」
「うん。この後ね?」
「...むーん」と、さらに強めに抱きついてくる。
「どーしたー?」
「...別にー。好きなだけー」
「俺も好きだよ?」
「...凛ちゃんとどっち?」
「そりゃ...うーん、同じくらいだねー」
「むーん!!!」と、背中に頭を擦り付けてくる。
「...はいはい。じゃあ...一緒にお風呂入る?」
「...うん!入る!」
前にそんな約束をしていたなーと思いながら、二人でお風呂に浸かる。
綺麗になった背中をさすっていると、「何?ムラムラしてんのぉ?」と、イタズラな笑みを浮かべる。
「そういうのじゃないけど...。綺麗な背中だなーって」
「...そうだねー。もう傷とかはないからねー」
「玲は幸せ?」
「うん!すごく幸せだよ?」
「...俺もだよ」
そうして、二人でキスをするのだった。
SNSで『彼女の誕生日の日に上司にNTRれたと知りました。誰か彼女の代わりに俺と高級フレンチ食べてくれませんか?w奢りますので』と、呟くと一通のDMが届いた 田中又雄 @tanakamatao01
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