第28話 終幕への道
「な、何の話ですか!?」と、怯えるご夫婦。
「...いやいや、とぼけられても困るんですか?あんたの娘が何したかわかってんのか?おぉん!?」
「わ、私たちは何も知りません!あ、あんなの娘じゃないです!げ、現に家出してるわけですから!」
「...そんなの関係ないだろーが。ぁん?そんなので許されたら警察いらねーっての...。まぁ、俺たちに警察なんて通用しないわけだけど?」
すると、面白くもないのにゲラゲラと笑い始めるヤクザさんたち。
演技だと分かってるのにこっちまでビビりそうなんだが...。
「とりあえず、こっちの車に乗ってもらおうか」と、無理やり引っ張り出される。
すると、抵抗しながら「わ、分かりました!あの子を育てたのはこいつです!私は何も関わってないんです!こいつはどうなってもいいから!私は助けてください!」と、お父さんの方が情けなく縋る。
すると、お母さんの方は震えながらぽつりぽつりと涙を流す。
これで事の真相ははっきりした。
全ての実権を握っていたのはこの父の方だったのだ。
もちろん、母も同罪だが主犯はこの父で決定。
さてと、大詰といこうか。
そのまま首根っこを掴んで無理やり車に乗せ込んで、借りたスタジオに向かう。
さて、全てを吐き出して、全てを明らかにしてもらおうか。
◇
一緒にいると口裏を合わせたり、本当のことを言わせないようにする可能性があると言うことで、別々の部屋に二人を分けて入れた。
俺も一応タクシーの運ちゃんの装い、側から眺めていた。
「...信じてください!私は何も知りません!」
「そう言われても...許すわけにはいかないですよー」
「娘も妻もどうなってもいいですから!」
「...改めて言いますとーうちの組のお嬢に手を挙げちゃったわけですよー。流石にそれは許すわけにいかないじゃないですかー」
「...お金なら払います!払いますから!」
「はいはい、お金ね。お金はもらいますよ。それとこれにサインいただけますか?あんたの娘はもううちのものになるって言うこと、それと慰謝料として1000万円を渡すこと」
「...1000万...ですか」
「払えない額じゃないでしょ?それとこの後、役所でいろいろ手続きしてもらうのと、大学には退学届を出すこと。それを了承してくれるなら見逃してやる。どうする?」と、言った瞬間隣の部屋から奥さんの思われる方の絶叫が聞こえてきて「は、払います!払いますから!」と言うのだった。
そうして、物語はようやく終わりに向かうのだった。
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