プレゼントですわ
「アザゼラお姉さま、秋田の朽木からはるばるお中元が」
「お歳暮ではないところがさすがの朽木クオリティ」
「シェミーが思うに、抜け作ですわ」
「やけに大きな箱ですが」
「開けてみましょう」
「クマですわ」
「タイムリーか~」
「秋田勢が使うとバカに説得力のあるネタです」
「ネタで済めばいいけど」
「クマが襲ってきます」
「ベア・ハッグで応酬です」
「さすがはアザゼラお姉さま」
「シェミーが思うに、見ものですわ」
「はれ、電話が」
「クマをいじめないで~」
「予定調和か」
「クマを送るので住所を教えてください」
「来た~」
「シェミーが思うに、シャタケ知事ですわ」
「アザゼラお姉さま、プレゼントですわ」
「レオンがマチルダの代わりに送るようによ~」
「ジョジョかと」
「クレーマー・ダイナマイト!」
「おおう!?」
「う、うまい……!」
「これで電凸は本人へ億倍に返されました」
「さ、さすがはアザゼラお姉さま……!」
「戻ってきます」
「ふん、リフレクをかけていましたか」
「何ゲー? ねえ?」
「ならばこちらはコーンフレークです」
「うわ~ん」
「アイオンの雨!」
「ガルガン・ゼロ」
「ダイコン・ニール」
「シェミーが思うに、中二ですわ」
「穴だらけになった模様」
「蜂の巣大作戦です」
「クマだけに」
「わ~は~は~!」
「プー!」
「コラ」
「ネジがはずれたようになっております」
「いまさら? ねえ?」
「多忙なので今回はこの辺で」
「シェミーが思うに、年末ですわ」
「多忙とは無縁なはずの朽木ですが」
「右手だけ忙しいのです」
三姉妹、吐く。
「俺は多忙な泥田坊! いえあっ!」
「久方ぶりの朽木ラップ」
「箱の隅にひそんでいましたか」
「お似合いレボリューション」
「言う? ねえ?」
「安部公房もびっくりかと」
「朽木工房」
「ヤバいものを作っていそうです」
「粘性の高いものかと」
三姉妹、再び吐く。
「誰が読むんやこんな小説」
「読者に謝れ~」
「冷めてきたところで終わりますか」
「末堂」
「鬼堂」
「ロクなのがいません」
「コラ」
「板垣に謝れ」
「呼び捨てにすな」
「幕を引きなさい幕を」
「……」
「急に黙るな」
「シェミーが思うに、ホラーですわ」
「せ~の」
「ほ・ほ・ほ!」
みなさん、誰あろう、このわたしこそがシャタケ知事を陰で操る男・クチキングZなのです……!
うっそ・ぴょ~ん。
―― その頃、秋田県土崎港にて ――
「輸送用のコンテナはそろいましたか?」
「は、すでにタンカーへ積載しております」
秘密結社・ティマイオス運輸がおそるべき計画を企てていたのである。
「わたしが開発したこの量産型アカカブト・ボーグさえあれば」
「コピーライツはアウツ……!」
「そううまく行きますかな?」
「なにぃ!?」
「宝刀・テラ=ノヴァ」
「ぎにゃあ!」
「ふ、このようにして、わたしは秘密裏に世界の平和を守っているのです」
「ぐろ~りあ~・ぐろ~りあ~」
「わはははははは!」
むにゃむにゃ……
「夢?」
とっぴんぱらりのぷう
悪役令嬢三姉妹の日常 朽木桜斎 @kuchiki-ohsai
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