第2章

1.レヴィの見る夢。






 ――夢の中で、一人の少女が泣いている。

 服装などは似ても似つかないが、レヴィはその少女が自分であることを理解していた。それでもなぜ、自分は泣いているのだろうか。

 理由は不明のまま、時間だけが過ぎていく。

 そうしていると周囲の状況が、次第に鮮明になっていった。



『これ、は……?』



 そこにあったのは、見渡す限りの大人の姿。

 彼女を取り囲むように立つ彼らは、異口同音に怒鳴り声を上げながらレヴィのことを責め立てていた。しかし夢を見ている彼女には、その訴えの意味が分からない。自分は彼らに何かしたのだろうか。それであれば、すぐにでも誠心誠意に謝罪をしなければならない。


 しかしこれは夢の中だ。

 身体は思ったように動かない。

 喉に詰まったように、言葉も上手く出てこなかった。


 だが、そこでレヴィはあることに気付く。



『なんだよ。……これ』



 声を出そうとする夢の中の自分には、首輪が付けられていた。

 それだけではない。手足にも拘束具を装着させられ、自由を奪われていた。

 ますます状況が分からない。いよいよ混乱するレヴィは、しかし必死に思いを訴えようとしている。どうやら幼い彼女は今よりも、幾分素直な性格らしい。


 だが、そんな少女に大人たちはこう叫ぶ。

 容赦なく、それが当然の報いであると言わんばかりに。





『消えろ、魔女!』――と。




 

――

短いですが、すみません。

熱中症?やら何やらでダウン気味でした_(:3 」∠)_


明日からはもう少し内容濃くしますね。

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世界でただ一人の『支配者』は、いつの間にか魔王認定されてしまう。~内定取り消しされて凹んでいたけど、ダンジョン配信を始めたら人生が変わりました~ あざね @sennami0406

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