第3話 またもや先祖。
「………!?帰って来たのか…………?」
シリスは女を見るなり何やら驚いた様子で話しかけた。
「それはこっちのセリフでしょうに…、失敗したみたいだね、計画。」
女もシリスに面識がある様で平然と言葉を返す。
「所でこの人だれ?」
女が俺を指差して言った。
「あぁ、コイツは………、誰だっけ…?」
そうだ…、今更だけど俺シリスに名乗っなかったな………。
「茂鳥 弦瀬です。」
「うわなんかダサくね………?」
「かなり酷い…………。」
なんでこんなヤツが天国来れるんだろう。
………、まあ良い、それよりも今はこの女が誰でどんなヤツなのかだ。
会話から察するにシリスの仲間ではあるのだろうが、心の声を読んで来たりとかテレパシー的な何かで話かけて来たりとかについて詳しく聞かなければならない。
「え…、えっと………、貴方は…………?」
「私………、は名前は無いけど、仲間からは『バシ』、か、『バシレウス』って呼ばれているね。一応だけど貴方の直系の先祖に当たる…………、」
コイツもかよ………!
なんだよ、先祖のくだりが全部シリスのおフザケでコイツがキチンと訂正してくれるっていう展開を期待してたのに…!
「…………、シリス、この人にどんな感じで事の説明付けたの…?」
バシレウスが少し戸惑った様子でシリスに聞く。
「私も先祖って事は教えて後は本当の姿を見せて…、その他は全部これからだな。」
シリスは自分があたかも普通の事をしたかの様に答えた。
「なんか大分混乱してるみたいだけど………。」
バシレウスが俺を見て言った。
「あー、えっと、奥に言って詳しく話してあげようか…?」
俺はバシレウスに付いて行く事にした。
――――――――――
「…………、つまりそれはどういう事でして……………?」
ダンッ!!!!!
「なんで分かんねぇんだよ!!!このアホンダラぁッ!!!!!」
ちくしょう………、こんな頭のおかしいクソババアなんて信用するんじゃ無かった…………。
「誰が『クソババア』じゃこのクソゴミがッ!!!肉体年齢19歳ぞワレぇッ!!!!!」
しまった、心も読まれてるんだった…、でも理解するのには無理がある。
聞いた事をまとめるとこうだ。
・シリスとバシレウスは単弓類(?)である。
・シリスとバシレウスは身体にナムー(?)をナキュス(?)し、天国式のヂグンエネルギー(?)をウァクスト(?)する事によってジグニアック(?)している。
・シリスはクカックイェ(?)計画により天国のナナエク(?)からドゥレ(?)しようとしていたが失敗した。
・文脈から察せるだろうが(?)、要するに天国からはドゥレ(?)が出来る。
・シリスやバシレウスはラキッシャト(?)出来るが、これは別に天国だからという訳では無い。
………、うん、マジで意味が分からない。
実はこれ以外にももっと沢山の事を聞いたのだが、マジで言葉が分からなくてどれがどの話とどう関係しているのか判別する事すら出来なかった。
「判別すらのdヴァ♠々♣ド■※✕〇▲ヌ゙ェ❥✣❐◆(解読不能)!!!!!」
「
「ドゥボゥァァァァァ…………。」
シリスが掌からあの時のよりも威力が少なそうな気弾を出して、バシレウスを気絶させた。
「………、私が説明しよう。」
「お願いします…………。」
………………………。
さて、シリスから比較的分かりやすい説明の仕方で色々な事を聞いた。
軽くまとめるとこうだ。
・天国からの脱出は理論上は可能であり、あの時シリスは俺と入れ違いになる様に脱出しようしていたが、恐竜の邪魔が入った事によって失敗してしまった。
・シリスやバシレウスは元々『単弓類』と呼ばれる哺乳類の祖先にあたる種類の古生物で、既存の人間をスキャンする事によって手に入れた人間のデータを使う事によって今の姿になっている。
・シリスはさっきの
・バシレウスは実はあれが平常運転であり、基本的には初対面だとああなるのが普通である。
………、重要そうなのは以上であった。
正直な事を言うとまだ意味が分からないが、俺はそれよりも『天国から脱出出来る。』という点に興味を惹かれた。
俺はまだ生きていたい、あわよくば他の皆が生まれ変わった『第2宇宙』に行きたい。
それが無理でも、閻魔にもう一回あって交渉したり文句を言うくらいはしたい。
俺がその事についてもっと詳しく聞こうとシリスの方を見ると、先にシリスが言った。
「お前、地球に生き返って見たくは無いか?」
転生出来なかった件 鐘音リンゴーン @Ringo_916
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