第2話 Day1-下

「ふぁー。よく寝た。」

「こんにちは、さえか様。昼寝からのお目覚めですか。」

「いまなんじ~?」

「14時です。約2時間眠りました。」

「二時間か~」

「資源が余っています。新しい船を作りますか?」

「うん。」

「こちらからお選びください。」

浮かび上がったパネルから、迷わず戦闘機を選び、20個作ることにした。

「こちらでよいですか?」

「ん」

「わかりました。」

「あなたの母親から、おねしょがまだ治ってないと聞いています。どうしますか?」

「なんで教えたんだよ!このくそママ!!」勝手に教えられていて、ブちぎれる。

「落ち着いてください。どうしますか。」

「どうできるんだよ!」

「尿を運ぶ管を付けた『パンツ』を作ることができます。」

「ほかに方法ないの?」

「オムツをつけることしかありません」

「じゃ、さっきの方法で。」

「作成には、3D採寸と尿道に管を入れる練習をする必要があります。」

「採寸?データが漏れたら終わりじゃん。」

「大丈夫です。私のBIOSより観覧されにくいところに保存します。」

内心では信じずに、しぶしぶ採寸に行った。

その場所では、壁に円柱の形をした機械がくっつけてあった。

「あの機械を開け、へこみに合わせて、体を置いてください。」

「裸になる?」

「もちろんです。」

「えーやだ。見ないでね。」

服を脱ぎ、機械を開けてみると、きちんと腰のあたりの形に合うように空間が作られていた。

「手で押すと、位置が調整できます。」

めっちゃ頑張って押すと、本当に動いた。

自分の腰に合うように調整し、機械を腰に当てた。脚を少し開かなければならなかった。

「ヒャッ、冷た!」

機械がとても冷たくて、思わず声が出てしまった。

「採寸を開始します。」

AIの声と同時にウィーーーンと機械が鳴り始めた。2分くらいすると、静かになった。

「完了しました。」

「やっと終わった…」

「尿道に管を入れる練習をする必要があります。」

「えー入れるの?」

「そうでないと、漏れてしまいます。」

「しょうがないなぁ」

言い終わるのを待たずに壁から、細い管とおもちゃ屋さんで見つけれそうな注射器が出てきた。よく見ると、細い管の片方は2つに分かれていた。注射器の中には、水が入っていた。

「トイレへどうぞ。」

声と同時に見慣れた矢印が床に浮かび上がった。

トイレに入ると、

「管からキャップを外し、先を便器のなかに向けてから、一番小さい穴に入れてください。」

キャップがあったことに初めて気づく。

パンツをずらし、恐る恐る管を入れてみる。

「いたっ」

「しょうがないです。はじめは誰でも痛いです。でも、女性は男性よりも楽です。」

その後、6時間にわたる奮闘により、ついに、おしっこが管から出てくるようになった。

「やっと出てきた~」

「注射器で、管のおしっこが出てきていないほうの穴に水をすべて入れてください。」

いざ、注射器を押してみると、とても硬かった。

「これで、完了です。製作が完了するまでオムツです。」

「オムツいらないんじゃなかったの?」

「それは、製作が完了してからのことです。」

「え~~~は~や~く~~~」

「精密機器なので、時間がかかります。」

「え~~~は~や~く~~~」

「今日はもう睡眠時間です。寝室へどうぞ。明日の朝8時に起こします。」

強引に寝室に連れて行かれた。

寝室は朝、起きた部屋と同じ部屋だった。

おむつを履き、布団に入った。ベットは意外と柔らかかった。一日中何があったのがわからないが、とても疲れていたようですぐに眠りに入った。

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