手がかりは身近なところにある

あの日、あの時、あの場所が、具体的に「いつ」で「どこ」なのか一切明かされないのですが、
主人公が何者で、どんな事情があって、誰もしくは何のせいで一年間をループし続けているのか、といったことよりも、
この物語で大事なのは、
主人公がいかにしてループから脱出するか、ということ……のようです。

脱出の手がかりは、じつは最初から、とても分かりやすいけれど気づきにくいところにあります。

陳腐な喩えですが、主人公の境遇を「人生」に喩えると分かりやすいかもしれません。
繰り返す毎日の退屈さから抜け出すため、人生に必要なものとは?

謎解きのつもりで文章をたどり、主人公の思考をなぞってみてはいかがでしょうか。