4話目

崖から落ちた後、誰かに助けられた。何か喋ってたけど、そろそろ晩ご飯の時間だからそのままログアウトした。ログアウトしても自分の身体が消えたりとかはなく、その場に眠ってるような感じで残るらしい。


「莉沙は…まだやってるね。今日は何にしよう…あ、しゃぶしゃぶにしよう。莉沙、お肉好きだしね。」


ということなのでささっと用意して莉沙を呼ぼう。好物でもなければすぐに辞めないからね。スマホからでもメールできるって言われたからそれで呼ぼう。えっと、


『莉沙〜、晩御飯しゃぶしゃぶだから早く来てねー?』


…っと、これでいっか。コンロとお鍋とお肉。お米に野菜と……これでいいかな。ドタドタ聞こえる。やっぱり早くていいね。


「今日しゃぶしゃぶなの?!やったー!」

「好きなものの時は元気になるよね、ピーマンの肉詰めの時は露骨にテンション下がってたし」

「ピーマン嫌い!やだ!」

「好き嫌いはだめだよ?」

「ハイ…」

「ほら、早く食べないの?食べ終わったらすぐにやるんでしょ?」

「うん。みんなもご飯食べてくるーってなってたし。…お肉ウメウメ」

「野菜も食べてね?なんで除けるのかな?」

「ギクッ!エット、ソレハ…って何回それ言うのさ〜」

「ん?野菜美味しいから食べて欲しいだけだよ?まぁそれ言っても食べないんだろうけど」

「あ、そういえばさ薙ー?ゲーム内で見なかったけどどこいたの?クランのみんなに合う前に少し話そうかなって思ってたけど」

「あ、ごめん。なんかゲーム内の神様がちょっといい場所に転移させてくれるって言われたからお願いしてみたら、そしたら森だったの」

「も、森?街じゃなくて?」

「森。街じゃないよ」

「えぇ…多分その原因って種族にあると思うんだよね。私はランダムで兎人引いて、街の中だった。獣人族は街中固定。周りも掲示板でも街の中だったって言ってるから。なら…薙、種族は?」

「竜人(皇女)だったよ。その神様にも間違われてこんなことなってるんだけどね」

「竜人?蜥蜴人なら掲示板で出てたけど…ん?薙ってランダム引いたの?」

「え?あ、うん引いたよ?あなた運が良いみたいだし引いちゃえ、みたいな感じで言われたから」

「そんなノリで引いちゃうんだ…でも薙運いいから大体いいの当たるよね」

「多分?そういえば私その森でめっちゃでかい狼出たんだよね」

「めっちゃでかい狼」

「鑑定しても名前見えなかったし」

「鑑定」

「見えたところが『ジフ????グ』でレベルが『Lv : ?1』だったんだ〜」

「うんちょっとまって。情報が多いね、知らないスキル出てきたしその名前に覚えがあるっていうか…ねぇ、その狼の色はどんなの?」

「赤黒かったよ」

「確定しちゃったよ…その狼は『ジフロニザナグ』って言うブラッドフェンリル種の第6エリアボスなの。つまりそこは誰も行けてないし行けないの。攻略組が第4エリアで詰まってるから。それと第6エリアが魔族領に繋がってるの。だから多分めっちゃ強い敵が出てくるんだと思うよ」

「あ、そうなの?見つかってから逃げ回って下が全く見えない崖から落ちて死ぬかと思ったら誰かに助けられたし。その後時間だからログアウトして今になるけど」

「え?そいつから逃げれたの?」

「う、うん。あの時ほんと必死に逃げてたから。多分崖に落ちる時に叩かれて落とされたのかな」

「えぇ…なんで生きれるのさ。DEFはどんな感じ?」

「たしか…216だったよ」

「初期種族が大体15だから、高すぎない?ドワーフ種族でも30だよ?」

「あ、やっぱり?」

「それも竜人族だからだと思うよ…っと、ごちそうさま!薙、アトリーの名前って何?名前さえ分かればフレンドになれるから」

「まって、アトリーって?」

「あ、まだだったか。掲示板で公式が『あ、AVSって言いづらいから略し方アトリーに変えるねー』って」

「なんとも軽いノリで…あ、私の名前か。『ユエ』だよ。そのキャラメイクの時につけてもらったの」

「『ユエ』ね。おっけー。てかつけてもらったのね…」

「莉沙はそのまま『リサ』だったよね」

「うん、そうだよー!じゃ、アトリー内で話そうねー!」

「わかったよー。それじゃあ、片付けして早く入ろうっと…」


………………

………

数十分後。


「片付け終わりーっと。じゃ――――ダイブイン」


このふわっとした感覚、少し面白いよね。アトリー選んで…けってーい。


「キュ?(ここどこ?)」

「お、起きたか。」

「キュー(おはよー)」

「お、おはよう?ってそんなのどうでもいいんだよな。と言うかお前さん、なんでこんな所に居るんだ?」

「キュキュ。キューキュー。(知らないよ。だって神様に転移させられてきたもん)」

「神様…もしかして最近現れてきてる異邦人ってやつか?」

「キュ(多分そう)」

「面倒い事になった…黒聖竜の変異種がなーんで異邦人になるんだよ。というかこの間の神の干渉って――」


なんかぶつぶつ言ってるけどいいや。とりあえず自分に鑑定〜。

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NAME : ユエ  種族 : 竜人(皇女)⁑まだ人化を覚えていないため、竜の姿。

性別 : 女性  Lv : 1 ⁑次のLvに必要なEXPは40です。

HP : 215  MP : 374

STR : 178  INT : 189  AGI : 103  VIT : 174

DEX : 124  DEF : 216  MND : 140  RES : 162

⁑LUKは隠しステータス。隠蔽状態。

スキル : 【鑑定 Lv : 4】【採取 Lv : 1】【錬金 Lv : 1】【隠密 Lv : 3】【身体強化 Lv : 2】【火魔法 Lv : 1】【水魔法 Lv : 2】【光魔術 Lv : 2】【聖魔術 Lv : 2】【飛翔 Lv : 1】残SP : 15

パッシブスキル,加護 : 【HP自動回復微量 Lv : 4】【MP自動回復微量 Lv : 3】【共通言語 Lv : --】【魔物言語Lv : --】【莠泌、ァ蜿、鮴阪?蜉?隴キ】〖竜皇女の導き〗〖逾樒ァ倥?豕「蜍〗【環境耐性低下 • 中】【物理、属性耐性 • 強】

⁑〖〗は未開放。条件が揃えば開放する。


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スキルのレベル上がってるけど、それは後。種族を鑑定。試しに掛けてみる。


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〈白聖竜〉

黒聖竜の特殊変異個体。

バフや治癒は得意だが、攻撃とデバフを掛けるのが不得意。

MP , VIT , INT , DEF , DEXが育ちやすい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


「――って、鑑定持ちなのかよ、珍しいな。」

「キュー?(珍しいって?)」

「あぁ、人族でもあまり見つからないスキルらしいぞ。獣人族やらドワーフ族、ましてや竜人族は滅多に見つからないんだよ」

「キュー(そうなんだ)」

「そのせいで一部では監禁させられてる所も有るみたいだぞ」

「キュ(コワ)」

「まぁ竜人族俺達を監禁した所で意味ないけどな。脆すぎて^^」

「キュ〜(めっちゃにこにこ〜)」

「…そーいや名前聞いてなかったな。名前、何て言うんだ?」


こういう時ってしっかり喋って伝えたいよね。スキルポイント残ってるし念話、取っちゃお。


〘システム⁑【念話】を取得しました〙


『――私はユエ。神様に付けて貰ったんだ』

「ユエ、ね…しかも神に名付けされてるのか。てかそれ最初っから使えよ!」

『今取ったのー、で貴方の名前は?』

「あぁ、言ってなかったか?俺の名は―――」






やっほ、久しぶりだね。

お話書くの楽しくて、ぱぱぱーって書いたら大体が誤字ってたよね…

その確認で時間が食べられたんだよ…誤字った私が悪いよね。

じゃ、またね〜

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