第3話  後編

 月日が経ち、志望大学に合格した永倉君は、親に“学生結婚する!”と宣言した。自由にさせてくれているのか? 子供に興味が無いのか? 親の許可は簡単に得られた。問題は、4人の内で誰を本妻にするかだ。



 或る日、永倉君は家に4人の女性を集めた。そこで、自分が4人と付き合っていて、この中の誰かと結婚するけど4人全員とこのまま付き合い続けたい! という、自分の正直な想いを皆に告げた。皆、騒然となったが、さすが30代の熟女達、静かな話し合いになった。


 結果として、正妻は若葉に決定した。結局親権をとられ、子供のいない若葉が選ばれたのだ。幸子は気楽な恋人。珉は離婚しないのでセ〇レ。塔子は今まで通りメイドとして働きながら時々永倉君に抱かれる、ということで話が丸く収まった。



 卒業式の後、盛大な結婚式、披露宴が行われた。式には、4人がウエディングドレスで現れた。4人とも凜々しく、美しく、カッコ良かった。勿論、メインは若葉だったが、4人全員と写真を撮り、その写真は永倉君の宝物になるのだった。


 新婚旅行、ヨーロッパ一周も4人一緒。貴重な思い出が量産された。夜の営みは交替で行われた。こんなに時間があったのは、永倉君が学生だったからだ。


 そして、大学生活が始まった。“子供は社会人になってから!”と決めていたのに、大学3年、21歳の時に若葉が男の子を出産した。大学4年になり、幸子と塔子も出産した。2人とも女の子だった。社会人になり、息子が一人前になったので離婚した珉が、最後に出産した。男の子だった。


 永倉君の実家の所有するマンションにみんな引っ越した。幸子、若葉、珉、塔子、それぞれ4LDKのマンションに引っ越した。永倉君も、4LDKを一人部屋にして住むことにした。夜の営みは順番だから、女性の方から永倉君の部屋へ行くのだ。



 永倉君は幸せになった。だが、みんなが“もう1人、子供を産む!”と言っているので、しばらくは賑やかになりそうだ。そうさ、足りない愛情は補給すればいい。永倉君は、自分の母親に近い年齢の、母性豊かな妻達と幸せに暮らしている。



 素直なのか? 歪んでいるのか? こんな幸せがあってもいいのだろうか?







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

永倉君の4人の恋人! 崔 梨遙(再) @sairiyousai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画