天国に行けないと思う、思わせる。

年の離れたいとこが自殺したと母親から連絡があった。母親に過剰に苛立ち、実家に急行する主人公。それから自分の家族といとことの関係が明らかになっていく過程で、現在のやり場のない主人公の感情が強烈に引き起こされる。何故彼が天国へは行かないと言ったのかを想像すると、胸が苦しくなる。

主人公といとこの関係性の他に背後に登場する家族や一族の薄暗さがより2人の関係性にスポットライトを当てていて、強烈な明暗にくらむ様な読後感だった。