ミステリー事件
hamazen
第一話 失踪
「今夜はご馳走なんだよなぁ」
俺は海に潜り、魚を獲ることを生業にしている。この仕事は、父から受け継いだものだ。
生業にしていると言ったものの、獲った魚を売るようなことはしない。
近所にも野菜を作るおばあちゃんだったり、家畜を飼うおじいちゃんだったりがいるもので、お互い助け合って生きている。
お互いの得意分野を遺憾無く発揮し、この村は成り立っているのだ。
海から家までは数キロ程離れているが訓練により、長くても片道5分で着くことができる。
とか言ううちに家に着いた。
「ただいまぁん」
部屋中に俺の声が響き渡り、辺りは静寂に包まれる。
あれ?
父が居るはずなんだけどなぁ。
そうだ。どうせ自室で寝てんだろう。
と思い、部屋のドアを開けると、案の定父が寝ている。
俺は嫌な予感がした。これは父なのか?
何か雰囲気が違うんだ。普段の父はもうちょっと、、なんというか太い?
「おーい!起きろ!」
と叫んでみるが、起きない。
俺は台所に向かうと、酒の空き瓶に水を入れた。
そして、その水を父にかけた。
その瞬間、父は全身から煙を吹き出し、跡形もなく消えてしまった。
「ちちぃぃいいいいいいいいい!!!」
あの出来事から2年、俺は漁師をやりつつも、肉体を極限まで鍛え上げた。
父を探すため、俺は旅に出るのであった。
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