最終話 解決
俺は目が覚めると、金属とかガラスとかいっぱいある実験室っぽい場所にいた。あたりは暗い。今はなぜか満腹で、力がみなぎる。
「なあ今音がしなかったか?」
俺は咄嗟に机の下に隠れる。
どうやら人がいるようだ。
胸には例のマーク。間違いない。
ここには父がいる。
「
腰ナイフで見張り二体の首を痛める。
「おい!部外者だ!捕まえろ!」
敵が増えようと俺の修行の力には敵うまい。
「
バタリバタリと敵は倒れ、手から心臓が零れ落ちる。
修行には意味しかなかったようだ。
「そこまでよ!!!!!」
「何ィ!」
声のする方を見上げると、黒いコートを身にまとった長身の女が立っていた。
「よくも私のか弱い部下を...赦さんぞおおお!!!!!!」
途端彼女は凄まじいスピードでこちらに向かってくる。
ところまでは目視できた。
今は腹部にいみじく虚無感を感じる。
おそらく目にもとまらぬパンチで貫かれたのだろう。
「どうだ。もう戦えまい。」
修行の力を発揮するんだ!!
そこに落ちてあるコンクリートの形を整えて、腹にあてがい、修行の力で適応させた。
「そんな神業、お前に使えるはずがないだろう!」
「修行の力を思い知れ」
「
「今お前の脳にコンクリートを流し込んだ。脳を回転させ続けないと、いずれ固まって死んでしまうだろう。」
「なんと恐ろしい技なのだ...」
そう言い残すと、彼女はナンプレを解き続けるため自室に戻った。
「息子よ。彼女のコンクリートを除去するのだ。」
その声は父さん!!!
振り返るとそこにはあの魚がいた。
「先に言っておくが、私はもう長くはないだろう。だからよく聞いておくれ。まず私は父でもあり魚でもありティッシュでもあるのだ。だがそのほとんどはすでにお前なんだ。」
どういうことだ...
「私が失踪したとき何をしていたか...日々の生活に飽きていたからな...ここで人体錬成とかしてたんだよ。だから寂しくないようティッシュを作ったんだ。私の半身でもある。ただあれは失敗作で体が貧弱だった。」
「家を出るときに俺に言ってくれればよかったのでは?あと指輪は何なの?」
「人体錬成は危険だ!!お前を巻き込むわけにはいかない。指輪はお土産みたいなもんだと思ってくれ。」
「魚も私の一部から作った。あれは自由度は低いが私の記憶が練りこんである。そいつにティッシュを回収させた。さらにお前を食ったとき、取り込まれたのは魚のほうだ。
お前は私の力を知らず知らずのうちに獲得していたのだ。」
「私はもう消える...つまりお前はティッシュであり魚であり私でもあるのだ...」
魚はチリになって消えた。
ということは、おれは何も失ってないってことか!!
「先ほどの戦い、見事だったぞ。これはお前の父が人体錬成で稼いだ金だ。」
さらにお金ももらえちゃうのか!ラッキーだなあ!
この金で俺は探偵事務所を開設した。
未だ謎は多く残るが、謎は一つも解いていない。
たった一つの真実見抜く、迷宮なしの探偵、真実はひとつ!
ミステリー事件 hamazen @hamazen
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